１０５ そういう意味で ページ15
Aside
「ゴォォオル！野坂悠馬、復帰早々華麗に得点を決めたぁ！」
『やったあ！！入った！』
思わず大きな声を上げて、ぐっと拳を握る。
敵を交わし、ボールを運び、そして新必殺技を炸裂。
完璧で、もはやパフォーマンスの様なゴールだ。
点を決めた悠馬はさらに宙返りを披露し、それに風丸さんと稲森君が嬉しそうに寄り添う。
皆、ほんとに嬉しそう…
そんな三人を、私は微笑ましいという気持ちで見ていた。
「嬉しそうだね、Aちゃん」
声を掛けてきたのは、士郎さんだ。
私は頷く。
『はい、すっごく嬉しいです！やっぱり悠馬は凄いなあって。なんか、私まで誇らしいです！』
「へえ…。二人は幼なじみ、かな？」
『まあ、そんな感じですね』
士郎さんは悠馬の方に視線を移した後、私の方に向き直った。
そして、少しだけ微笑む。
「仲良いんだね。もしかして、Aちゃん…」
『え？』
「彼の事、好きなの？」
『…えっ』
……好き？
悠馬の事が？
……いやいやいやいやいや。そんな事は無い。
ただ、昔から知っていたから。
好きとはまた違う。
私は首をぶんぶんと振った。
『好きですけど、恋愛的ではないです』
この答えを聞いた士郎さんは、含み笑いを浮かべて首を傾げる。
「僕は、一言も恋愛的とは言ってないけど？もしかして…そういう意味に、聞こえちゃった？」
『え、なっ…！』
士郎さんの、この表情。
声色、そしてこの笑い方……。
……はめられた！
『ちょ、はめましたね！ひどい』
「はは、ごめんね。ちょっとからかいたくなって」
楽しそうに笑う士郎さん。
その笑い声に、何人かがこちらを向く。
「おい吹雪、どうしたんだー？そんなに笑って」
「ほんとだー」
『なっ、何でもないです！』
私はそう言ってから、試合を再開し始めようと沸き上がるフィールドに顔を向ける。
これで同点、追いつかれたウズベキスタンはどう動くのだろう。
…恋とか好きとか、今はどうでも良い。うん。
目の前の試合に集中しよう。
そう、思った。
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通りすがりのジンギスカン(プロフ) - ありがとうございます!更新楽しみにしています! (2023年1月3日 0時) (
レス) id: 8ec3ac3ee0 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - 通りすがりのジンギスカンさん» はじめまして！コメントありがとうございます。楽しく読んで下さっていると聞き、とても嬉しいです。パスワード送らせていただきますね！これからもよろしくお願い致します。 (2023年1月2日 22時) (レス) id: 40828a89fc (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのジンギスカン(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく読んでます!続きが気になるので、良ければパスワードを教えて頂けませんか? (2023年1月2日 0時) (レス) id: 8ec3ac3ee0 (このIDを非表示/違反報告)
加茂&夏油の嫁(プロフ) - 花鈴萌さん» こちらこそです！更新楽しみにしています！ (2022年12月31日 5時) (レス) id: ef07d69be6 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - 加茂&夏油の嫁さん» はじめまして、ご指摘ありがとうございます。すみません単なるミスです。なぜ今まで気づかなかったのか……！ただ今修正しました。面白いと言って頂けて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願い致します！ (2022年12月31日 5時) (レス) @page20 id: 40828a89fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花鈴萌 | 作成日時：2020年9月19日 10時
