夜 ページ27
ネジ視点
全員の視線が俺に向いた
テン
「ちょっとネジ、何言って…」
『できないね』
ネジ
「何故だ!」
『私は殺人でこのまま矯正施設行きだろ?
今回のことで、明白に犯人がわかったから』
そうだった
今まで捕まっていなかったのは、
状況証拠が少なく、
捉えきれなかったからなのだ
『せっかく生き延びたけど、
やっぱり、こういう運命だからさ。』
悔しさに歯を食い縛る
俺なら、力になれるのに。と
ガイ
「とりあえず、
今後の処分についても、契約についても、
火影様に報告をしてからだな」
それぞれ想いを抱えながら、
今は帰路を急ぐことになった
ーーーーー
『眠れないの?』
外の空気を吸おうとテントを出ると、
リサが外にいた
ネジ
「ああ。お前こそ、何故…」
『いつ寝込みを襲われても
おかしくないからね』
冗談には聴こえるが、
あながち否定もできないそれに、顔をしかめる
『せっかく、安心して外を見れるんだ。
今のうちに、みておきたくてね。』
リサは目隠しをしていなかった
月明かりに照らされた彼女の顔は
やはり息を呑むほど美しかった
『さっきの話だけど、あれ本気?』
ネジ
「ああ」
『驚いた。君もそういう願望があるの?』
笑ってはいるが、
腹のなかを探ろうとしているのだろう
ネジ
「俺はお前に命を下すつもりはない」
『そう言って無理やり契約を結ばせた人を、
私は何人も見てきた』
ネジ
「違う!俺は…」
『シーっ!みんな起きちゃう』
あわてて声を下げる
『君が何を考えているかはわからないけどね。
火影様の判断次第だ。
…早く寝たほうがいいよ。おやすみ。』
俺は…の続きは言わせてもらえなかった
仕方なくテントに戻ったが、
やはり寝付けないまま朝を迎えていた…
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作者名:じょうろ | 作成日時:2020年1月23日 21時