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「そういえば自己紹介がまだだったね。私は森鷗外。君は?」
思い出したように森はAに聞いた。Aは一瞬考える素振りを見せ、
「ぼくはAA。以後お見知り置きを。」
と森に頭を下げた。

その様子に森は微笑み
「神出鬼没の異能力者がこんなところでポートマフィアに捕まるとはねぇ。」
と云った。
Aはばれたかと言い出しそうな表情だったが、スッと目を細める。
森にはその意味が通じたらしく、
「まぁ、君を敵に回すと面倒だからねぇ。特に何かするつもりもないよ?味方になると云ってくれているしね。」
と優しく伝えた。
「ありがとう、ございます。」
その言葉に嘘がないと判断したAは森に礼を云った。
甘く溶けるように微笑みながら

「君………綺麗だね………」
森はそんなAを見て溢す。芥川は少し横を向いてしまう。
二人の様子を見たAは何事かという顔をした。
「Aが、笑ったから……だ。」
芥川が説明する。Aは驚き少し意地悪そうな顔をした。
「ぼくだって笑うぐらいするよ。それとも駄目?」

と、そんなAの顔を見た芥川は頬を真っ赤にして床に倒れる。
森は顔を片手で押さえ小さく独り言を云う。

先程よりも可笑しくなってしまった様子を見てAは疑問符を顔に浮かべた。
そして二人を観察したあと、自身の顔のせいなのだろうと判断し取り乱す。

三人全員が挙動不審になるという不思議な状況となった。


暫くして全員が落ち着きを取り戻した。
芥川が起き上がり、森もAに向き直った。
そんななかAは二人に頭を下げた。
「ぼくのせいで何か変なことになって済みませんでした!!」
二人はAの土下座を慌てて止めながら
「問題ない!僕こそ済まなかった!」
「君こそ私たちが急に可笑しくなったから驚いただろう?こちらこそ済まなかったね。」
と謝った。

「そうだ、君今日はどうするのだい?ポートマフィアに泊まるかい?」
森が話を戻し、Aに提案する。
「いえ、ぼくは帰りますよ。」
Aは即答した。

「もー!私Aと遊びたかったわ!リンタロウの莫迦!」
Aが帰る直前のビルの外で、先程やって来た幼女エリスが駄々をこねる。
Aはそんなエリスに近づき頭に手を置き云った。
「また来ます。その時遊びましょう?」
エリスは大きく頷いた。

そしてAは二人を見る。
「また今度会いましょう。」
「そうだね、また今度。」
「……またな。」

__仲良くなれて良かった。

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作者名:玉兎 | 作成日時:2019年7月28日 10時

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