第3話 ページ5
「はい、そうです。
……あ、コーヒー1つ」
「かしこまりました」
近くに来た店員さんに注文する。
呼ぶのめんどくさいから助かった。
「体細いのにバイク乗ってるの?」
「あはは、こんな体でも中学時代は運動部だったので力はあるんですよ。」
「へえ! 何部だったの?」
「バスケ部です」
私がバスケ、と口にした途端紫色の彼の動きが一瞬止まった。
……なにかあるな、これ。
ていうか最初に話しかけてくれた人ってもしや悪童?
「……なーんだ、霧崎第一バスケ部の人か。大学生かと思った。同い年じゃん」
一気に気が抜けた。
同い年かよ。
「同い年? 高2?」
無表情の……古橋康次郎、だったかな。その人が呟く。
「小さくて悪かったですね?」
「……すまない」
「よろしい」
こっちだって身長気にしてんだよ。
つーか女子にしては高いわ。
お前らが高すぎなんだよ。
「お待たせいたしました」
コーヒーが届いた。
まず一口飲む。アツい。
「お前、バスケやっててオレらのことどうも思わないのかよ」
花宮真。彼が私と同じくコーヒーを飲みながら聞いてくる。
「別に。つーか女バスなんてほとんどのとこがラフプレーまがいだったし。
私的に、練習相手は女子。
試合相手は男子のが簡単。」
「あー……確かに女子って終盤でもないのにボールに常にがっつくよね」
一番背の高い、確か瀬戸健太郎が言う。
「よくわかってんじゃん、その通りだよ。
女子まじウゼェ」
「あっはは! アンタも女子じゃん!」
「指差すな原一哉。」
「フルネーム!?」
そりゃ、初対面で一哉なんて呼ばないでしょ。気持ち悪い。
「にしても白バイびくったー」
「びくるくらいならタンデム止めろバァカ」
「うっせ」
オレンジの髪をした山崎弘と花宮が話す。
白バイ、タンデム、その単語から違反しているのだと分かった。
38人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫 | 作成日時:2015年2月27日 16時