検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:13,799 hit

第10話 ページ12

日曜日なのもあってか、紺野さんの車から見た駅前は人で賑わっていた。

「あー今私と同い年くらいの人いたー、羨ましー」

友達らしき三人組は、仲良くクレープを頬張っている。

「レコーディングの帰り駅寄ってもらえません?」
「ダメよ。その髪色で駅前は目立つでしょ。」
「……はーい」

仕事の日は『蒸れるから』という理由でウィッグを被っていない。
学校から直行で行くときは被ってるけどね。
あーあ、雑貨店行きたかったなぁ……

「歌詞の確認でもしなさい」
「了解です」

バッグからクリアファイルを取りだし、歌詞カードを見る。
この曲、私は結構好きだ。
自問自答しているこの歌詞は、胸に響いてきやすい。
きっとこの曲もオリコン入りとなってくれるだろう。

それに、今日やる生放送の歌番組でこの曲は初公開となる。
大人気の歌番組で大々的に初公開、紺野さんも社長さんもヒット間違いなしだと意気込んでいた。


−−音楽プレーヤーにイヤホンを差し込み、曲を流す。
歌詞を目で追いながら曲を聞くと、なんとなく覚えやすい気がするんだよね。

「着いたわ。時間ギリギリだから早く降りて」
「はい!」

出していたものをバッグにしまって、車から降りる。
秋特有の風が私の髪を靡かせた。






レコーディングは無事終わり、残る仕事は歌番組だけとなった。
歌番組まで結構時間があるので、一旦家に帰る。

「あ、おかえり」
「なんで……」

第11話→←第9話



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
38人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2015年2月27日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。