4滴 変化など欲しくなかった ページ6
「あ!Aいた!」
「あ?」
朝、いつものように早めに学校へ行き、(家だとはかどらないし持って帰んの面倒)と言って大体いつもやっていない宿題を片付けていた俺を、若松が呼んだ。
「なに?」
ガムを膨らませながら聞くと、若松が俺の席に寄ってきた。
「たまにでいいからバスケ部の手伝いやってくんね?」
「はあ?」
でも確か、
「(昨日会った桃色、バスケ部なんだよなぁ)」
昨日のことを誰にも言ってないか確認するべく、とりあえずは了承した。
そして放課後、俺は若松に連れられバスケ部へ顔をだした。
「はじめまして。AAといいます。一応性別は女子です。とりあえず今日は見学しに来たのですが、用事があるので4時20分になったら帰宅させてもらいます。」
無表情に、言う。
「ん?A? ……もしかしてアンタ○○中出身か?」
バスケ部主将である今吉から聞かれ、(敬語めんど)と思いつつも「そうですよ」と答える。
「やっぱそうやんな!ワシも○○中出身や!」
「あ、そうだったんですか」
少し目を見開き、俺は驚く。
「そういえば、1年でピンク髪のマネいます?」
「桃井のことやんな?」
「あーその人です多分。今日はいないんですか?」
全体に向かって聞くと、「桃井は今日偵察行くっつってたよな?」とちらほら声があがる。
「(そっか、選手のサポートじゃなく敵を調べるタイプのマネだから俺が呼ばれたのか)」
「ありがとうございましたー」
お客さんが店から出ると、先輩に「もう7時なるし、あがっていいよ」と言われ、「ありがとうございます」と返す。
「(にしてもバスケ部なぁ……)」
とりあえず俺は、しばらくは手伝いますと言って出てきた。
「(まあ桃井に会うためなんだけど)」
ポケットからガムを取り出し、口に入れる。
「(水曜なんかは完全にバイトオフだし、まあいっか)」
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作者名:紫 | 作成日時:2015年1月22日 23時