佰肆拾肆 ページ44
放課後
「Aっ!早く来なさいよ!」
「梅ちゃん!妓夫太郎さん!」
手を振って
駆け寄る。
キメツ学園三大美女である梅ちゃんは不良兄妹で有名で最初は仲良くなれる訳ないと思っていたが、私を見た途端抱きついてきて、それから仲良くなった。
「お兄ちゃん、Aはバイクに乗れないから歩いて帰るわ!」
「あぁ、そうだなああ」
「そういえば梅ちゃん、今日ね生物室行ったらさ、マウンティングしてくる壺が私の事知ってたの!」
「玉壺?あのブサイクの」
「え、玉壺?」
『玉壺さんっ』
「……あれ」
「A、大丈夫かああ?顔が真っ青だ」
「玉壺を思い出したの?」
梅ちゃんの言っている事が分からない。
思い出すって何?
前世とか何…?
「おっ!これはこれは妓夫太郎と梅じゃないか〜!おや……へぇー?」
扇子をパタパタと揺らし微笑む男性。
この人どこかで…
「テレビの人…」
「あぁ……A、この人には関わっちゃダメよ」
「あぁ、ダメだ」
妓夫太郎さんと梅ちゃんに言われてみんなで素通りする。
「酷すぎないかい!?Aちゃん、Aちゃんは無視しないでくれるよね?」
『うん!無視しないよ!』
「……あれ…」
体がふらつき、梅ちゃんが支えてくれた。
「あれ?Aちゃん、俺の事覚えてない?みんな覚えているのに」
「っ……?」
「A、行くわよ」
「A、無理に思い出さなくていいからなああ」
梅ちゃんが小さく呟いたのが聞こえた。
【無惨様と約束したんだもの】
『無惨さん』
『無惨さんっ!!!』
あぁ、これだ。
これなのだ。
私が酷く欲していたもの。
月彦という名前ではない。あの方は……!!
「うぅ……」
「A!?」
目の前がグラついて気持ち悪い。
梅ちゃんの顔も歪んで見える。
気持ち悪い。
気持ち悪い。
苦しい。
苦しい
梅ちゃん達の前では吐けないと、抜け出して走る。
すると誰かにぶつかって、倒れそうな所を支えられた。
「大丈夫か」
あぁ、
この方をどうして忘れていたのだろう。
吐き気は治まり、私はその方に抱きついた。
「無惨さん」
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丸(プロフ) - へなさん» へな様…!今更だなんて!そんなそんな!素敵すぎるというお優しいお言葉…!拙い文にも関わらずそう言っていただけて本当に胸いっぱいです(*´-`*)長い物語でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました! (3月25日 1時) (レス) id: fe9b371b01 (このIDを非表示/違反報告)
へな - 今更ですが素敵すぎました! (3月24日 8時) (レス) @page50 id: 6adab414b4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - ふわるさん» ふわる様、返信が遅くなってしまい申し訳ございません…!!そう言っていただけて光栄です〜!!(;▽;)そんなに褒めていただけてもう心中、喜びパラダイス状態です!!私も素敵な読者さまからコメントしていただけて幸せです〜!!ありがとうございます!! (8月26日 14時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
ふわる(プロフ) - 面白かったです!泣きました笑!なんでこんな良い作品が思いつくんですか!!!この作品に出会えてよかったです! (8月24日 1時) (レス) @page50 id: ca3f3ad930 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - あやめさん» あやめ様!そんなに褒めてくださるなんて…!ありがとうございます〜!!m(_ _)m無惨様をさらに好きになるきっかけを作る事ができて感無量です。゚(゚´Д`゚)゚。あやめ様の褒め褒め言葉に私はHPが急激に回復いたしました!!素敵なコメントありがとうございました!! (2021年2月3日 19時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)
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