佰拾伍 ページ15
鬼舞辻side
「A」
疲れて寝てしまったAの頭を撫でながら目を細める。
彼女の手首も持ち上げ、赤くなっているネクタイの縛り痕に口付ける。
「すまない」
白い肌は赤い痕が良く映える。
ここに住むようになってからAの肌は白くなっていく。
すまない、と言っておきながら彼女の赤い痕に満足している自分もいる。
首元にそっと口付け、そっと人差し指で彼女の襟を引いて、現れる白い肌に吸い付く。
赤い痕が広がっていく。何個も何個も。
ぽんぽん広がる。
「A」
彼女の名前を呼んでいればもっと好きになってくれるような気がした。
「A」
ゆっくり布団を剥がして
「A」
彼女を深く深く愛そう。
彼女に触れた黒死牟の感覚を全てを消してしまう程に。
＊＊＊
「……」
眠たそうにゆっくり目を開けるA
「おはよう、A」
「おはようございます…無惨さん」
眠たそうに、だけど嬉しそうにへにゃりと無防備な笑顔を見せる。
「おはよう」
微笑んで、彼女をまた布団に押し倒す。
「……？」
頭が上手く回っていないAは首を傾げる。
「愛情表現」
顔を近づけて、彼女を奪う。
段々と意識がハッキリしてきたのか、彼女の目が見開かれる。
少し苦しそうに私の胸の辺りを何度か押す。
少し解放して、笑って、また重ねる。
彼女はやはり慣れていなくて、苦しそうに。だけど顔を真っ赤に、涙目で私を見つめる。
この上なく愛おしいと思う存在。
愛してやまない存在。
「A」
頭を撫でて、彼女の口から溢れる唾液をハンカチで丁寧に拭いてやる。
「あ、う…」
「私はAのものだよ」
そう言えば、涙目だったのにも関わらず、嬉しそうに笑う。
「私も…無惨さんのものです」
「あぁ、それは嬉しいものだ」
笑うと、Aは少し私から顔を逸らす。
耳までもが赤く染まり、彼女は隠してるつもりだろうがバレている。
「無惨さん」
「なんだ」
「大好きです」
血が沸騰しそうになった。
「私も同じ気持ちだ」
Aは嬉しそうにギュッと私に抱きついた。
永遠にAは私のものだ。
誰にも渡しはしない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 805人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
丸(プロフ) - へなさん» へな様…！今更だなんて！そんなそんな！素敵すぎるというお優しいお言葉…！拙い文にも関わらずそう言っていただけて本当に胸いっぱいです(*´-`*)長い物語でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました！ (3月25日 1時) (
レス) id: fe9b371b01 (このIDを非表示/違反報告)
へな - 今更ですが素敵すぎました！ (3月24日 8時) (レス) @page50 id: 6adab414b4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - ふわるさん» ふわる様、返信が遅くなってしまい申し訳ございません…！！そう言っていただけて光栄です〜！！(；▽；)そんなに褒めていただけてもう心中、喜びパラダイス状態です！！私も素敵な読者さまからコメントしていただけて幸せです〜！！ありがとうございます！！ (8月26日 14時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
ふわる(プロフ) - 面白かったです！泣きました笑！なんでこんな良い作品が思いつくんですか！！！この作品に出会えてよかったです！ (8月24日 1時) (レス) @page50 id: ca3f3ad930 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - あやめさん» あやめ様！そんなに褒めてくださるなんて…！ありがとうございます〜！！m(_ _)m無惨様をさらに好きになるきっかけを作る事ができて感無量です｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡あやめ様の褒め褒め言葉に私はHPが急激に回復いたしました！！素敵なコメントありがとうございました！！ (2021年2月3日 19時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
