【ヒプマイ】最近の高校生はませガキなようで＿２＿ (ページ14)

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マセガキ＿61＿【山田三郎】ページ14

泣き疲れてそのまま俺の方へ倒れ眠ってしまった三郎を俺は呆れながら三郎をおんぶし、買い物袋を持って家へ向かった。あやふやな道を通りに通って行くと萬屋ヤマダの窓、家に入るとドタドタと足音がうるさくなる

「A！！お前ｯいつまで…三郎！？」
「Aが帰ってきたって………さ、三郎？」

『よ、ただいまベット貸してもらうぞ』

買い物袋を2人に押付け三郎と書かれた部屋に入っていく
ぺた、ぺたとフローリングの床と素足がひっつく音が近付き、三郎がいつも寝ているであろうベッドの前で立ち止まった
俺は三郎をベットに寝かし暗い部屋の中眠っている三郎の姿を見た

｢…………ねぇ…｣

そう言って目を開く三郎、帰ってきた時から薄々意識はあったのだろう
だが先程まで俺を馬鹿にしていた三郎とは打って変わっていた

俺は無言でベッドの隅に座ると、寝転んでいた三郎が俺の元へ転がり抱きしめてくる
ギシリ、とスプリングが小さな悲鳴をあげる

先程、眠ってしまった時に怖い夢を見た……と、そう言って俺の腰に顔を擦り付けてきた、もういい年した中学生が何を言っているんだか…と呆れる
今は夏真っ只中、当然ながら三郎の小さな温もりでさえ暑苦しく感じる時期である

『眠れないのか』
｢………うるさぃ…黙ってその子供には似つかない冷たい体温移せ｣

背中に抱きつかれている為三郎の顔は見えないのだが、触れている手先や腕は微かに震えているようだった。
コイツは昔の俺に似ていた

頭が良く回るが、故に、キャパオーバーしてよく悪夢にうなされる事が多いのだろう
俺は小学生の頃にはそれから逃れる事が出来たが

三郎はどうも変われないらしい
ピトッと三郎の指先に触れてみると、火のように火照っていた

｢…………何か話せ…｣

付け足すようにそう呟かれ、後ろでモゾモゾと体勢を変える気配が感じられた

ちょうど股関節のあたりに、三郎の小さな鼻と額がくっつく
横腹に触れる手の指先は暑くて冷たい俺の体を温もりへと引っ張った

『………はぁ、しょうがねぇな、』

俺はぐるりと体を回転させほんのり目の下にクマが出来ている三郎と向かい合う体勢になり、自分からも腕を回し自分の方へ引き寄せる
先程はこんな事をすれば怒鳴りながら俺をぶん殴っている所だろう、だが今は大人しく俺の胸に体を預けてくる、路地での出来事が頭に残っているのだろうか

三郎の体は抱きしめているとポッキリ折れてしまいそうなほどに小さく細く感じられた