EP : 57 ページ9
「亮、ちゃん…？」
私を押さえつけたままじっと見下ろす亮ちゃんの顔は怖いくらいの真顔なのに、その瞳はとても苦しくて悲しそうで…
見ているこっちの胸が締め付けられる。
「…ねぇ。Aは俺のこと、好き？」
ヒュッと息を吸い込むか細い音が唇から零れる。
そんなの、好きに決まってる。
出会った時から、これからもずっと変わらず、大好きだよ。
でもね、亮ちゃん…今はもう私のそれは恋愛感情じゃない…
「俺とのキス、拒んだよね？なんで？」
「あのね、亮ちゃん、私はっ…」
「春市とは出来るのに、俺とは出来ないの？」
「！」
思わず瞳を見開いてしまった私のその顔は、今の質問を肯定するものとしては十分だっただろう。
「なんで…それ…」
「吉川と話してたじゃん。保健室で」
「あの会話…聞いてたの…？」
亮ちゃんの掌が私の頬を優しく撫で、親指が唇をなぞる。
頭の中が真っ白で何も考えられない、声が出てこない…
「何とか言ってよ。ねぇ」
「亮ちゃん…私、は…」
「Aは俺のそばに居てくれるんだよね？」
亮ちゃんの表情に胸がギュッと締め付けられる。
やっぱり、このままじゃダメだ…
「亮ちゃん…私はずっと亮ちゃんのそばに居るよ。それは約束したからとか関係なく、当たり前の事。でもね、亮ちゃんと付き合うことは出来ない。私は…春が好きなの」
今の素直な気持ちだった。
やっと伝えられた…そう思うと安心感で力が抜けた。
きっと亮ちゃんは分かってくれる。
そう思った矢先だった。
「いっ、痛い…痛いよ、亮ちゃん」
ギリギリと…万力で少しずつ締め付けられているかのように私の手首を掴む亮ちゃんの手に力が入っていく。
その痛みに顔を顰める私を見下ろす亮ちゃんの瞳は、どこか焦点が定まっていない。
「…なんで俺じゃダメなの？」
「亮ちゃんじゃダメだとか、そういう事じゃなくて…！」
「なんで春市なんだよ。お前の目には、いつもいつもアイツしか写ってない」
私の言葉が、想いが、全然伝わってない。
直感的にそう感じる。
今の亮ちゃんは、私の知ってる亮ちゃんじゃない。
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月花(プロフ) - めっちゃ続き気になる〜〜！！ (2020年5月28日 5時) (
レス) id: 990a644328 (このIDを非表示/違反報告)
橋姫(プロフ) - りーさん» りーさん、コメントありがとうございます(o^^o)私も書きながら何とか皆が幸せになれないかーといつも考えています(´△｀)最後を予想しつつ今後も楽しんでもらえたら嬉しいです(´∀｀*)よろしくお願いします！ (2018年4月3日 22時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - こんばんは！急にすみませんが！！個人の意見では亮さんオチが見たいところです！！だけど、春っちにも幸せになって欲しい！！3人とも幸せになってもらいたいですねー！！これから先この三角関係がどんなふうになっていくのか楽しみにしています！更新まってます！ (2018年4月2日 22時) (レス) id: 66fe0dba64 (このIDを非表示/違反報告)
橋姫(プロフ) - ｱﾏﾐﾔさん» 今後も作品共々どうぞよろしくお願いします(o´艸`)(文字数で半端に2つになってしまってすいませんm(_ _)m) (2018年4月1日 20時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
橋姫(プロフ) - ｱﾏﾐﾔさん» ｱﾏﾐﾔさんコメントありがとうございます(o^^o)更新がスローペースではありますが、インモラルは比較的すらすら書ける作品ですので、なるべくお待たせしないように更新していきたいと思います！三角関係にどう決着がつくのか予想しながら楽しんでもらえると嬉しいです (2018年4月1日 20時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：橋姫 | 作者ホームページ：http://yumenoukihashi.himegimi.jp/
作成日時：2018年3月9日 18時
