《ダイヤのA》二人は、仲良し。

◆6（◇6の金丸side） ページ10

金「おい……マジで入んのかよ…」

東「うん、マジだよ？」



俺は正直、お化け屋敷とかそう言う怖いのが
苦手だ。



東「俺が着いてるから怖くないって！」

金「そう言ってる東条がビビりじゃねーかよ」

東「…バレた」



バレたも何も、顔見れば分かるわアホ…。

東条は結構ビビりって感じだな。



東「あっ」



何かと思いきや、俺の腕に抱き着いてきた東条。近くに居るカップルが、ニヤニヤしながら此方を見てきた。



金「っ!!!?離れろ東条!!!」

東「……やだ」

金「あのな…」



"別に嫌じゃねーけどよ"と言い掛けたとき、
遂に俺達の順番が来てしまった。



"ｷﾞｮｴｪｪｪｴｪｪｪｪｪｴｴｴ!!!"

"ﾋﾟｷﾞｬｧｧｧｧｧｱｱｱｧｧｧ!!!"



東「うぁぁぁぁぁ!!!!?」

金「た、ただの悲鳴だろ！」

東「だよね…」



かなりビビっている東条の顔を見ると、
崩壊していたので見なかった事に。

と言うか、東条ビビりすきだっつの。



東「っぎゃぁぁぁ」

金「ちょ、おい東条!!?」



急に叫んだかと思うと、俺を置いて走り出す東条。ちょ、怖いから!!!



金「おい東条!!」

東「ぎゃあぁ……あ、信二」

金「置いてくな！」



迷子になったらどうしようとか、怖いとか、
考えていると変な汗が出てきた。

…ん？



金「って言うか、此処…」

東「？」

金「何処だよ…」



人気が無く、やけに静かな所に来てしまった。
此処は一体…？

暗くて何も見えねぇー…とか思っていたら、
何かを踏んでしまった。



東「ぎゃっ!!」


それと同時に、東条の悲鳴が上がった。
下を見ると、俺の足は東条の足を踏んでいた。



金「東条悪ィ、踏んじまった…」

東「大丈夫だけど……信二？」



ヒヤヒヤしっぱなしだぜ…全く…。
死ぬかと思ったぜ…。

って言うか、俺何で東条にしがみついて…っ！



東「信二、そんなにビビらなくても…」

金「ビビってねぇ！…あ、今光が見えたぜ！」



別に話を逸らしたいからとかじゃねーけど、
光が見えたのは本当だ。

東条の暖かくて、俺の手より少し小さい手を、
ぎゅっと握り、其処を目指して走り出した。



_______



東「…」

金「無事出れたな…」



ハンカチで汗を拭き、深呼吸をする。
もう二度と此処来ねぇ…！



と言うか、東条いつまで手握ってんだ!!?



金「…おい東条」

東「え？」

金「いつまで手、握ってんだよ」

東「え？あ、ごめん」



何て言った事を、俺は後悔した。

______素直になれよ、俺。

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