《ダイヤのA》二人は、仲良し。

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東「痛たたた……」

金「もうちょっとだから我慢しろって」



余所見をしていた東条は、
肘を壁で擦ってしまい、怪我をした。

全く……危ねぇから心配だっつーの。



東「信二不器用過ぎ……」

金「やってやったんだから文句言うな」

東「文句じゃなくて、ね」



えへへ…と笑う東条の頭を優しく叩く。



金「今日はもう寝ろよ。
　明日練習しろよな」

東「もう零時だから、明日だよ……痛っ」



屁理屈はいいから、と頭を今度は強めに叩く。
東条は、素直に部屋に入っていった。



金「また明日…じゃなくて……
　また後でな」



そう言って、自分の部屋に戻ろうとしたけど、
誰かに腕を引っ張られていて動けない。

沢村か？……と、振り向く。



金「……おい」

東「……ん？」

金「骸骨のお面被っても、
ビビらねぇからな、東条」



バレたか、と舌を出して"てへぺろ"とかする
東条を俺の部屋に連行。



東「し、信二！肘痛いっ！」

金「！わ、悪ィ……」

東「嘘」

金「いい加減にしろよ東条」



フザケている東条を俺のベッドに投げる。
布団を掛けてやると、
『優しいね』と微笑む東条。

でも、いつもとは違う。



金「……無理に笑うなよ」

東「…え」



俺は知ってる。
東条が、独りで悩んでいる事を。

昨日だって、独りで泣いていた。

俺が口出しをしたって、
何も変わらねぇと思うし、
俺なんかが東条に言える事なんて、何もねぇ。



金「俺の前なら、泣けよ…っ」



何て言えば良いのか分からねぇけど……、
俺の前では、素直になって欲しい。

ただ、それだけなんだよ、東条。



金「俺に出来る事があるなら、
いつでも言えよな。

俺の悩みは、東条が独りで悩みを抱えてる事
なんだからよ」



俯く東条の頭を撫でてやると、
東条は俺に飛び付いて、泣き喚く。

そんな東条を見て、酷く悲しむ俺は、
東条をギュッ、と抱き締めた。



東「しん、じ……お、れ…っ」

金「…今日は俺に、悩み全部を愚痴れよな」



うん、と弱った声で呟く、こんな東条は、
今まで見た事無かった。

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