《ダイヤのA》二人は、仲良し。

◆10《優愛ちゃんリク》 ページ16

東「信二ーっ!!」



何時もよりご機嫌な東条は、俺の名前を呼びながら走る。

まるで子供みたいにはしゃぎながら、何かを持っている。



金「どうしたんだよ、東条」

東「あのねあのね！」



持っていた紙をバッと広げ、それを見せてくる。



……ももクロのポスター…?



東「沢村から貰ったの！」

金「は?…沢村?」



沢村ってももクロに興味あったのか?
いや、それ以前にももクロ知ってんのか?



金「沢村って…」

東「何かね、雑誌買った時に付いてきたんだって！付録で！

『東条はいい奴だからな！』って言ってくれたんだけど……そうなの?」



充分優しい。

誰にだって気遣いしてるし、優しいし、
試合でも最近活躍してるし…。



東条は兎も角凄い奴だと俺は思う。



金「…で？」

東「あ、其れでさ、俺が好きなー________」



其れから延々とももクロの事を語る東条。
俺は着いていけなくて、ボーッとしていた。



東「………信二?」



ボーッとしていた俺をじーっと見て、チョッと不安な顔で覗いて来た。



東「…聞いてた?」

金「…おー」

東「……聞いてなかったでしょ」

金「……おー」



何で!?と頬を膨らまして怒る東条。
俺も何でって言いたいわ。



金「…だって俺ももクロ知らねぇし、
何言ってっか全っ然分かんねーし」



そんな惚気話、聞きたくないっつーか。
…俺、何。ももクロに嫉妬してんの?



東「…そう言えば、信二、最近、俺の事……
避けてる?」

金「………は?」



別に避けてなんかねぇのに。

東条は何を勘違いしているのか分からないけど、俺の事、そんな事する奴だと思ってたってわけかよ？



……だとしたら…。





金「…東条、俺の事嫌いなわけ?」

東「…え」



吃驚した様な顔をしながら、そんな事ない、と
訴える東条。

でも、そういう事なんだろ?



東「…もう、いいよ、」

金「お、おいとうじょ…」



逃げようとする東条の腕を掴もうとしたら、
東条は避けて、走って逃げてしまった。



金「………俺の馬鹿…」



後悔するんだったら、最初からこんな事言わなきゃ良かったのに。

……どうすんだよ、俺。

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