2話:隠しごと ページ3
「…ただいま」
『!おねえちゃん、おかえり』
読んでたえほんをパタンと閉じて、おねえちゃんの方にかけよった。
おねえちゃんは疲れてて、目を伏せてた。
だから『大丈夫だよ』って意味をこめて、抱きついたの。
そしたら少しだけ笑って頭を撫でてくれた。
でもその腕には、新しいほうたいが巻かれてた。
あぁ、またキズが増えたんだね。
ごめんねおねえちゃん、わたし、なにもできなくて…
おねえちゃんの役にたとうって、頑張ってるのになぁ。
『ねぇおねえちゃん、えほん読も!
わたしね、少しだけ字が読めるようになったからね、おねえちゃんに読みきかせできるよ!』
おねえちゃんを励まそうと、えほんを手にして笑う。
そしたらおねえちゃんは、ベッドに座った。
だからわたしもその隣に座って、えほんを開いたの。
それでえほんの表紙にかいてある、題名を口にした。
『__________わたしのヒーロー。』
それは、ヒーローが小さい女の子を、
そのえほんを読みすすめていくうちに、おねえちゃんは悲しそうに、だんだんと、ゆっくり、眉を下げていった。
『__________こうして女の子は、悪ーいゔぃらんから解ほうされ、ヒーローにたすけられたのでした。
おしまい…』
パタンと閉じて、おねえちゃんに『どうだった』って聞いたの。
おねえちゃんは、間をあけて「おもしろかったよ」って笑った。
そして「ごめんね…」って呟いた。
『なんであやまるの?』
おねえちゃんは声を詰まらせて、目線を泳がせた。
あ、それ、ほんで読んだことある。
『おねえちゃん、わたしに何か隠してるでしょ。』
意味のない視線移動、不しぜんなまばたき、それは何かを隠してるって書いてあった。
それに、おねえちゃんのそのキズは立派な隠しごとだ。
これをキッカケに、おねえちゃんがわたしを頼ってくれたら______…
期待の視線をおねえちゃんに向ける。
でもおねえちゃんは視線をわたしに向けないまま、しゃべってくれる様子はない。
…そっか。
『やっぱりなんでもない。もう寝よう?』
一緒に寝っ転がって、おねえちゃんに抱きつく。
優しく背中をさすって、目を閉じて寝たおねえちゃんを見てから、わたしも目を閉じた。
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あんころ餅 - とても面白いです!!この小説とショタ主の方両方見ました!!両方ともとっても好きです!!これからも頑張ってください。 (2020年1月29日 22時) (レス) id: 0e111988c0 (このIDを非表示/違反報告)
まいこはん - おもろい!!!! (2020年1月20日 21時) (レス) id: d1220536e3 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 最&高です!頑張って! (2020年1月20日 16時) (レス) id: 03f6bf06e7 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - とても面白いです!こういう作品大好き(ノ´∀`*)頑張ってください! (2020年1月20日 1時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イケメンになりたい。 | 作成日時:2020年1月19日 18時