82:騒動後(万次郎) ページ35
万「……なんだ、これ」
蘭「まぁまぁ、今日のとこは大目に見てやってよ」
望月と武臣から仕事の報告を受けて解散すると、怜奈の様子を見にきた万次郎と蘭。
明らかに不機嫌になる万次郎。
ソファーにはクッションにもたれて眠る竜胆と、その竜胆の上で抱きついて眠る怜奈の姿。
怜奈の目元が少し赤くなっている事から泣いていたのだとわかる。
普段なら起こしてでも引き離そうとする万次郎だが、今日の出来事があるため、蘭の言うとおりそっとしておくことにする。
蘭がブランケットを2人にかけてやり、起こさないように万次郎と部屋を出る。
翌日、オフィスへ行くとすぐに首領専用の部屋に呼ばれる怜奈。
ソファに座る万次郎はチラリと怜奈を見て、指を組んだ自分の手に視線を落とす。
静かに怒っている空気がヒリヒリと痛い。
万「なんで呼ばれたか分かるか?」
静寂の中で、万次郎の静かな声が響いて聞こえる。
『…ごめん、なさい。
お仕事の邪魔して。大事な商談だったのに…』
万「そんなのはどうでもいい…
なんで嘘ついた?」
『それは…お仕事の邪魔しちゃうと思って…』
万「商談なんてどうでもいい。いくらでもある。
でも…
お前は一人だけだろ。
替えなんてない。
もっと頼れ」
頼れ
命令しているようで
切望のようにも聞こえた
『…はい』
万次郎にこうして真剣に説教されるのは初めてだ。
万次郎が隣のスペースをポンポンと軽く叩いて隣に座るように促す。
おずおずと隣に怜奈が座ると、万次郎に腕を掴まれて抱き締められる。
万「怖い思いさせて悪かった。俺のミスだ……でも嘘ついたのは怜奈が悪いから、これでおあいこな?」
おあいこ
その言葉で許してもらえたのがわかると、万次郎の肩に額を乗せる怜奈。
『うん。
気がついたらボスに電話してて…嘘ついてごめんなさい』
万「俺が真っ先に浮かんだ?」
『うん』
万「じゃあ許す。
……あ」
『?』
万「あと…俺が添い寝したかった」
『それは……私が悪いの?』
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ゆう - 今までよんだ中でー番おもしろいです!いつもありがとうございます!これからもがんばってください! (11月14日 21時) (レス) @page12 id: 8a7e22f16f (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 百合さん» 続編も読んでいただいてありがとうございますっ!嬉しいコメで頑張れます♡ (6月19日 19時) (レス) id: c86157d70c (このIDを非表示/違反報告)
百合 - うん、最高。←ホントに大好きです💖 (6月16日 15時) (レス) @page48 id: e72506d086 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 東雲アカリ*さん» コメありがとうございます♡長いのに読んでいただけて嬉しいです♪ (2023年3月26日 20時) (レス) id: c86157d70c (このIDを非表示/違反報告)
東雲アカリ*(プロフ) - 初コメ失礼します!面白くてつい一気に読んでしまいました!続き楽しみにしてます! (2023年3月23日 23時) (レス) id: 0a20fc4a51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔夜 | 作成日時:2023年2月9日 18時