梵天幹部の雑用係への溺愛がすぎる２【梵天】

８３：騒動後（九井、鶴蝶、春千夜） ページ36

首領の執務室から出ると九井と鶴蝶が仕事の話をしていた。



『あ、二人とも…


昨日はごめんなさい。


商談のことも、ボスがバイク奪ったことも、二人が対応してくれたって…』



九「別にどうってことない。ボスだってそのことでは怒ってなかっただろ？」



鶴「そうだ。それを言うなら灰谷兄弟や三途の方が比べ物にならないくらい迷惑かけてるからな」



九「そうそう。あいつらの方が額も規模も比べ物にならないくらいやらかしてるからな。



知らない奴が急に来たんだ、怜奈の反応は当然だ」



謝る怜奈に、九井と鶴蝶の二人は特に気にしてない様子でさらりと受け流してくれる。



それよりも二人が気になったのは怜奈が着けている、九井にもらった眼鏡だ。



それをしていると言うことは、昨晩は泣いてしまい、目が腫れているのだろうと察する。












『あ、春ちゃん、おかえり』



春千夜が戻ってくる頃には、怜奈もいつも通り九井の仕事を手伝っていた。


春「なんだ、お前、また泣いてのか？」



『また？』



確かに昨日は助け出された時と竜胆と二人きりの時には泣いた。



それ以外に怜奈には心当たりがない。




『ここに来て泣いたの、昨日だけだもん』



春「嘘つけ。こないだもギャン泣きしたじゃねぇ…！」




途中まで話したところで、酔っていた時のことを怜奈は覚えていないのだと思い出して、ハッと口を噤む。



九井が怜奈に気づかれないように、口パクで「バーカ」と三途に向かって言うとベッと舌を出す。



春「っ！！」



泣かせたことを黙ってもらっているため言い返せない春千夜。



『春ちゃん？』



「おら！昨日買い損ねた限定の苺大福っ！」



怪訝そうに見上げる怜奈の顔面に紙袋を押し付ける。



『わっ！え、買ってきてくれたの？ありがとー。


あ、草団子とかもあるっ！


みんなでお茶にしよ？』









春「ちょろい奴」


九「確かに」


鶴「可愛くていいじゃないか」

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