『DREAM AUDITION』(2) ページ3
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「……会場って、ここ?」
「……うん、この地図によるとそうみたい」
数日後、次のオーディションを受けるために、とある場所を訪れた。
合格通知に書いていた、オーディション会場。
地図を見ていた時は何も思わなかったんだけど、実際来てみたらかなり驚いた。
それは、私の横で口をポカンと開けてる、花純もそのようで。
「……こんなとこで、オーディション?」
「まって、それ私のセリフだから」
「な、なんか今から緊張してきた……」
「私の目の前で花純が緊張しないでよ?!」
慣れたようなコントをしながら、普通に歩を進める。
私達が何にを驚いてるかと言うと、『DREAM AUDITION』の場所。
確かに主催は夢ノ咲学院の生徒会長さんらしいけど……。
「まさか本当に学院ですることになるとは……」
「ねぇねぇA、あれって何かな?」
「さ、さぁ……、でも、アイドル科はあっちだから、別の科じゃないかな?」
「ふーん……、広いね、夢ノ咲」
「思ってた以上にね……」
花純に返事をしながら、辺りを見渡し、奥へと入っていく。
アイドル科の方へと進むと、私同様、オーディションを受けに来たような子達が
ちらほらと、アイドル科に吸い込まれていっている。
本来ならあるはずの受付も、昇降口で行ってるようで
何人かの、顔立ちの整った男の子が、オーディション会場へと誘導している。
当然、私達もオーディションに来たので、その誘導の列に並んだ。
「いよいよだね……!」
「まだこれからだよ」
「でもほら、夢のアイドル科に入れるし!」
「花純そればっかりだなぁ……」
花純の動機を思い出し、呆れを隠せずため息をついた。
キラキラしてる花純から目を離し、持っていた資料に目を落とす。
二次オーディションまで、やることはやった。
歌は上手くなったわけじゃないけど、ダンスはある程度できるようになった。
後はもう、それを全てぶつけるだけだ。
『合格したらもう一度、泉さんに気持ちを伝えよう』
そう思って、ここまでやってきた。
夏が終わって、秋も終われば、冬なんてあっという間に来てしまう。
『スターライトフェスティバル』も、すぐに終わってしまうから。
「……心から好きって言ってもらえるように、努力し続けよう」
想いが報われるかなんて、神様でなきゃ分からないけど。
何かしなきゃ、始まりも終わりも、ないのだから。
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莉緒(プロフ) - すいかさん» 返信遅くなりすいません!コメントありがとうございます!これからも面白いお話が出来るよう、頑張ります! (2018年11月7日 22時) (レス) id: 013457e9b7 (このIDを非表示/違反報告)
すいか - 面白いです!! (2018年10月24日 6時) (レス) id: 1cbfe77de4 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 愛姫さん» コメントありがとうございます!これから楽しんでいただけるよう、頑張りますね! (2018年1月25日 17時) (レス) id: 9db52594cb (このIDを非表示/違反報告)
愛姫 - いつも楽しみに見てます!!これからも頑張ってください!! (2018年1月25日 13時) (レス) id: 43b6895a40 (このIDを非表示/違反報告)
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