４９、『本音』を伝えて ページ49
・
床に握り拳を押し付けてる俺の手の上に
重ねるように、瀬名の手が触れていた。
それを見て、やっと瀬名が意識があったことに気づく。
｢せ、瀬名……！早く人を―――｣
立ち上がろうとして足に力を入れる。
でも瀬名は、俺の手を握り続けた。
｢ねぇ、答えてよ｣
瀬名の消えそうな声に、視線が固まる。
それが見えてるのか、瀬名は続ける。
｢さっきの言葉が、『本音』でしょ？｣
｢……なに言ってんだよ｣
｢嘘つくな、素直に、なりな｣
ポツポツと続けられる言葉に、ちゃんと返す。
体をゆっくり起こした瀬名。
俺は反対に、手をついた場所を見て俯く。
でも、桜咲が壊れてしまう。
そう言えば、突然肩を掴まれた。
｢……っ、いい加減にしなよ！｣
瀬名の大声に、体をビクッと揺らす。
｢あんたは桜咲の代わりになりたくないんでしょ？！
桜咲が壊れるのを見るんじゃなくて、『支えたい』んでしょ？！｣
俺が返事する隙も与えず、瀬名は叫ぶ。
｢その『本音』を、あんたが桜咲に伝えなくて
ほかの誰が伝えにいくっていうの？！｣
そこまで言い切った後、瀬名が体制を崩す。
慌てて支えるが、瀬名はまだ話し続けた。
｢……完全に、相手が機能しなくなって、からじゃ
意味が、ないんだから……さぁ｣
そう言って、少し目を伏せる。
｢そうだよね、れおくん｣って、呟いて。
それを聞いて、少し冷静になった。
……重ねてるんだ、昔の自分に。
はっきりとは聞いてないけど、多分そうだ。
だからきっと、ちゃんと聞いておくべきなんだ。
しかし、瀬名のこの状態はやばいんじゃ……。
｢ねぇ、A……。今からでも、遅くない、から｣
｢……瀬名｣
｢伝えなきゃ、言いたいことを。本音を、全部｣
……本音を、全部。桜咲に、言えるのか？
伝えたことない、本音を。
言ってしまえばまた、あの日みたいに……。
｢大丈夫、Aは、出来る｣
｢……なんで、言いきれるんだよ｣
｢あたりまえでしょぉ｣
瀬名の手が、俺の頬に触れる。
そして、あの優しい表情で、言った。
｢俺が―――た、……なんだから｣
｢え……？今、なんて……｣
はっきりと聞こえなくて聞き返す。
しかし瀬名は、笑って言った。
｢……ね？できるでしょ？｣
そんな表情は初めてで、咄嗟に頷く。
｢うん、いい子……｣
刹那、瀬名は完全に床に落ちる。
｢……瀬名？｣
今度こそ、返事がない。
｢瀬名……っ！おい、瀬名っ！｣
揺すっても、声をかけても返ってこなかった。
｢おき、てよ｣
｢泉……っ！｣
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nekosugi - 色んな作品楽しみにしてます！！ (2018年3月29日 18時) (
レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 是非！よろしくお願いします！ (2018年3月28日 1時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 私もせなくん好きですよ！もしよかったら友達になりませんか？ (2018年3月21日 21時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 私は元真緒くんでしたけど、今は瀬名くんです！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 莉緒さんは、あんスタで誰が好きですか？ (2018年3月3日 15時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
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