４６、正しい道は ページ46
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｢瀬名っちさ、本当に好きなら約束してよ｣
Aの従兄弟は、堪えるように言う。
泣きそうなのか、怒りそうなのか知らないけど
何かを必死にこらえて、言った。
｢Aを、悲しませないって｣
在り来りな言葉に笑い飛ばしたくなるが
そいつは手に力を込めて、笑った。
あいつが、Aが笑うみたいに。
そんな消え入りそうな笑顔で、告げる。
｢……『ぼく』はさ、『お姉ちゃん』を
悲しませることしか、できないから｣
俺は、言う。
｢残念な事だけど、約束できないねぇ｣
｢はぁ？！なんでよ！｣
｢あんたの言う『悲しみ』さえ貰うからだよ｣
あいつの笑顔も、泣き顔も、全部。
『俺が、桜咲から奪ってあげるから』
あの会話を決定打にして、依存だとか言ってるなら
桜咲は多分、確信犯だ。
言わなくても、あいつの意図が手に取るようにわかる。
『これでも、Aを奪うつもりか』ということ。
スープを飲むこいつから理由を聞いて、そんなこと思ってた。
こんな格好で学校に来てるから、ゴタゴタは予想してたけど
まさかここまで面倒だとは思わなかった。
｢見かけによらず、色々あるんだねぇ｣
｢主に桜咲だけどな、色々あんのは｣
そう言ってからスープを飲み干して、満足げな顔。
それに少し呆れ笑いすると、Aが語る。
｢うち……というか、桜咲んちなんだけど
じぃちゃんが大手企業の社長でさ。
俺からみれば、叔父さんがその若社長かなんかで
桜咲もそれを継ぐからって、色々言われてるんだよ｣
Aが告げた真実に、だんだんピースが合ってくる。
そこまで考えてる大手企業なら、かなりでかいところ。
そんな所なら、あの格好では歩けないし歩かせない。
けど、それが桜咲の意志なのだとしたら
桜咲の『趣味』や『生きがい』を否定されてるようなもの。
自分の好きなことが抑制されれば、壊れてしまう。
無意識にそれを分かっていたから、依存する道を選んだんだ。
そうでもしなければ、保てなくなるんだ。
｢……わかるよ、俺も。そういう奴見てきたから｣
俺の想像通りの話をしたAに、言ってみる。
結局俺は、助けられなかったから
あいつは今、壊れたように笑っている。
その最悪の結果に行くのは、Aの判断次第だ。
｢……俺のすべきことって、なんだろうな｣
―――だいぶ、迷ってる。
正しい道を教えるのか、そのまま放って置くのか。
―――随分、迷ってる。
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nekosugi - 色んな作品楽しみにしてます！！ (2018年3月29日 18時) (
レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 是非！よろしくお願いします！ (2018年3月28日 1時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 私もせなくん好きですよ！もしよかったら友達になりませんか？ (2018年3月21日 21時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 私は元真緒くんでしたけど、今は瀬名くんです！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 莉緒さんは、あんスタで誰が好きですか？ (2018年3月3日 15時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
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