４１、楽しかったはず ページ41
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時間はあっという間に過ぎ、放課後。
桜咲のせいでどっと疲れ、大きくため息。
廊下をとぼとぼ歩いていると、ドンッと衝撃が。
｢うおっ？！｣と声をあげ、前に体制が崩れた。
一応、何とか持ち直し振り返る。
そこには、楽しそうに笑う桜咲の姿があった。
｢びっくりしたー？｣
｢びっくりしたー？じゃねぇよ、死にかけたわ｣
｢それはそれは、脅かした甲斐があったよ｣
｢お前なぁ……｣
こいつは本当に……、なんて、額に手をついて呟く。
桜咲はそんなことお構い無しで、上目遣いで覗き込む。
俺の目を見つめてから、少しムスッとした。
｢なんだよ、いきなり｣
｢べっつにー？Aが元気なかったから｣
｢誰のせいだと思ってんすか？桜咲さん？｣
｢だれのせいでしょうねぇ、Aさん｣
わかりやすくとぼける桜咲。
俺の少し前に出て、軽く俺の方を向き歩く。
その様子に呆れながらも、微笑んでいた。
こんなに楽しそうな桜咲は、久々だからだ。
だから……その、あれだ。
今の今までいることを許してしまったのだが。
本人としては、『入学したいから見学してる』
とか言ってるけど、一体どこまで本気なのか。
長年連れそった俺でも、おおよその検討もつかない。
そんなやり取りをして、校舎を出る。
オレンジ色の光が、俺たちの影を作った。
｢あっ、そうそう！すっかり忘れてた！｣
背中に羽でも付けたような足取りをこちらに向け
口角を上げて俺を見る桜咲は、声を上げた。
｢あのこと、伝えるの忘れてたね｣
｢あのこと……？｣
｢お昼に言おうとしたんだけど、ちょっと難しかったから｣
両手を合わせて、｢ごめんっ｣という桜咲をみて
あぁ、なんて相槌を打って思い出す。
先生に捕まってるうちに忘れてしまってた。
｢一応聞いては見たんだけど……｣
｢えっ、い、今言うのか？！｣
｢ううん、教えないよ｣
｢あぁ、なんだ……ん？｣
俺の聞き間違いだろうか。
桜咲の言い間違いだろうか。
『言わない』ではなく、『教えない』。
伏せ気味だった顔を上げて、桜咲を見る。
｢教えない、教えてあげない｣
小さい歩幅になった足を止めてから
沈みかけた夕日をみて、桜咲はいった。
｢気が変わったの、だから教えない｣
｢なんだよそれ、勝手だな｣
｢勝手なのはAの方でしょ？｣
夕日が次第に強く当たり出し、桜咲が目を細める。
……違うな、夕日のせいじゃない。
これは、きっと……。
｢Aが勝手に、『A』を辞めたんだよ｣
俺のせいなんだ。
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nekosugi - 色んな作品楽しみにしてます！！ (2018年3月29日 18時) (
レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 是非！よろしくお願いします！ (2018年3月28日 1時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 私もせなくん好きですよ！もしよかったら友達になりませんか？ (2018年3月21日 21時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 私は元真緒くんでしたけど、今は瀬名くんです！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 莉緒さんは、あんスタで誰が好きですか？ (2018年3月3日 15時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
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