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「…にしても、朝から熱心ね」
「こんな時間じゃねェと出来ねェだけだ。」
「流石社畜。
そうだ
ちょうどいい、今から私の相手してよ
任務の前になまってる体起こしてあげないと」
今日と明日、下手すれば明後日も暫く土方とは顔すら会わせないかもしれないのだから1度くらい勝負しておきたい。
まあ、まだ1度も刀を混じえたことは無いが…
それにどうせ何らかの言い訳をつけて結局断るんだろう。
「朝イチだぞ。本調子じゃねえよ」
「はあ…なんでそんなに私と勝負したくないの?」
「疲れるだろ」
「瞳孔ひらきっぱなしのチンピラの癖に。
分かった、なら稽古つけて」
「大して変わんねーだろうが…」
今度は下手に出てみたが、反応はあまり変わらない様だ。
「私に稽古つけれるのなんて土方くらいしか居ないよ?」
「…総悟も居るだろ」
「適当言わないで、あいつが私の稽古付けれるわけ無いのなんかしってるでしょ」
総悟と私とでは戦い方が根本的に違う。
人を斬るのが大好きで生まれつき剣の才能に恵まれた総悟はほぼ本能で動いている様なものだ。
だが私の場合そんな悪趣味は持っていない上、女という時点で戦闘においては男に劣っている。
そんな私が才能を見込まれて引き抜かれるようにまでなれたのはきっと第六感や危機察知能力のおかげだ。
相手が次にどの場所を狙うか、どんな思考かすら読めればどんなに力の差があろうと勝てる。
その能力が極端に優れている私が本能で動く総悟に稽古を付けてもらうなんざ無理な話である。
つまり、私と似た戦い方の土方なら私に稽古を付けれるという訳だ。
「頭なら私の方が良いけど、力と刀の使い方は土方の方が優れてるからね。
第六感を鍛えたいなら私が稽古つけてやるのも悪くないけど」
「そりゃ2択か」
「そうよ、私が稽古つけるか 土方が稽古つけるか。」
土方はしばらく黙って頭を抱えた。
そして数秒後、ため息をついて返事をした。
「…わーったよ、つけてやる」
稽古を付けられるのも喧嘩ができないのも少し癪に障るが、稽古をつけて貰えるだけ良い収穫だ。
そのままどさくさに紛れて勝負してしまえばいい。
「ほらよ」
そう言って投げ渡された木刀をギュッと握った。
「じゃあ、とりあえずかかって来い。どこからでもいいい」
「分かった。…行くよ」
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時