検索窓
今日:1 hit、昨日:34 hit、合計:60,610 hit

28 ページ28

土方side





稽古を初めて数十分。
やはり病み上がりなせいかAの動きは若干鈍ってはいたものの、数年前と比べて随分変わっていた。



「もっと体前に出せ、届かねェだろ」


「…っ、」



Aの攻撃を受けながらアドバイスなんてしてみるものの、ほぼ言うことは無かった。

と言うより、短所の分頭脳に長けているおかげで補えているのだ。


俺が攻撃しようとすれば、Aは直ぐにそれを察知して俺が狙っていた場所を守る。

初めて刀を混じえたというのにまるで俺の太刀筋を全て知っているかの様だ。
本当はそうではなく、ただA自身の危機察知能力が優れ過ぎているだけなのだが。




「…はあ、…っはあ、」





激しい刀のやり取りだったが一旦距離を取って、お互い呼吸を整えた。






「…やるじゃん、3秒で倒せると思ってた」




「俺もお前が3秒でぶっ倒れるかと思ってたよ」






するとAは自分の腕時計を確認して木刀を下げた。






「…もう行かなきゃ。

ありがとね、いい稽古になった」



「稽古っつーか普通に俺の事倒しに来てたじゃねーか」



「まあ私強いからね〜」





ニヤニヤしながら俺を見るA。
成長しただろう、とでも言っているような顔だ。




「また暫くその顔見なくていいってんなら気が楽だよ、さっさと行け」


「何よ、寂しい癖に」


「そりゃお前だろうが

寂しいからって電話かけてくんじゃねーぞ」



「誰がお前なんかに電話かけるか!今ここで着信拒否しといてやるよ!」



「上等だコラ!俺も今ここで着信拒否しといてやるよ!」




「ほらよ!!」
「ほら!!」





Aと同時に着信拒否の画面を見せあった。






「…そろそろ本当に遅刻しちゃう」



「A、」


携帯を下げ、道場を出ていこうとしたAの背中に無意識に声をかけてしまった。

はてなマークでも浮かんでいる様な顔をしてこちらを見るA。





「病み上がりだろ、気をつけて行けよ」




俺がそう言うと、Aは目を見開いた。




「え…あ、ありがとう…」


「お、おう」



「…っ、つーか、最初からそう言え!!」


「あ、あァ!?人が気ィ使ってやったのに素直に受け取れねーのか!」


「っう、うるさい!」


「ったくもう良い、朝早くからお互いこんなくだらねェ事してる暇無ェだろ」


「そうね、精々これからの数日私と喧嘩別れしたことを惜しみなバカ土方」


「へいへい、わーったからさっさと行けよ」

29→←27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (69 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
225人がお気に入り
設定タグ:真選組 , 土方十四郎 , 銀魂   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。