空座決戦編 2-2 ページ8
『京楽隊長！ご無事ですか！？』
流れる雲を背景に上空に立つ藍染らの動きを探っていれば、徐に響いた声。
京楽は後ろ手を付いていた体勢から少しだけ起き上がり姿勢を整えた。
『やぁ、Aちゃん』
単独任務、ご苦労様。
そう言って軽く腕を持ち上げた彼は、いつもと何ら変わらない微笑みでAを迎えた。
想像よりも元気そうな京楽に胸を撫で下ろしつつ、銀色の背中はテキパキと包帯やら丸薬やらを用意していく。
『ちょっと胸元失礼しますね』
「ハーイ♡」
『お元気そうなら辞めときますけど』
「あいたたたた…傷口が急に…」
『もう！笑わせないでくださいっ！』
困り顔で笑うAに満足げな京楽だった。
かと思えば、彼は何処か寂しそうに笑う。
『どうされたんですか？』
「…眩しいねえ」
その言葉が物理的な意味ではないことくらい、すぐに理解出来た。
けれど抽象的過ぎてなんと返せばいいのかと言い淀むAに気付き、京楽は流れる雲へと再び視線を戻した。
「そのままの意味だよ」
次の世代を担う君たちは、おじさんの目にはいつだって眩しいもんさ。
そう言って微笑んでいる横顔が、きっとリサを見つめているのだろう事に気が付いた。
『…お会いしたんですね』
小さく呟いた言葉。
Aは長いまつげを伏せる。
「見ない間に随分と綺麗になっちゃってたよ」
『ふふふ、またそんな事言って』
「…良かったね、Aちゃん」
ーー平子くんも元気そうだ。
穏やかなその声が、何故だろう。
どこかチリリと胸を焦がすのは。
『…はい』
紫水晶の瞳が悲しげに細められたことに気付かないように、京楽はもう一度戦況へと視線を向けた。
さて。とひとつ息を吸う。
「Aちゃんありがとう、もう大丈夫だ」
スッと手に触れて、京楽がゆっくりと振り返る。
立ち上がる背を不安そうにAの瞳が追いかけた。
「浮竹を頼むよ」
『…はい』
「そんな顔しなさんな」
穏やかに笑う京楽の手がしゃがみ込んだままのAの頭を優しく撫でる。
そんな仕草に懐かしさを感じた時、頭に乗っていた暖かい霊圧が風と共に消えた。
いつものように笑う京楽隊長の背には、
いつものように揺れる女性物の着物はない。
普段は見えない八の数字がどうしてこんなにも胸を騒つかせるのか。
破面の元へと向かう見慣れない背中に祈った。
一秒でも早く、この戦いが終わるようにと。
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おもち(プロフ) - ううさん» 二週目ありがとうございます（ ; ; ）！現在最初の方から加筆修正中で読みにくい点もあると思いますがぜひいつでも読んでいってください。わたしもギン乱推しなので、二人の妹になりた過ぎてこうなりました笑これからもよろしくお願いします！ (2020年12月20日 0時) (
レス) id: 1513b391e8 (このIDを非表示/違反報告)
うう - 全部読んで2周目です。ギン乱推しなのです最高です。ありがとうございます。もっと他の人にも読んで欲しい作品です。 (2020年12月20日 0時) (レス) id: bccb65748a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - もももさん» 文字が多くて分からずらいとこが多かったですよね（ ; ; ）！読んでくださりありがとうございます！ (2020年9月6日 0時) (レス) id: 1513b391e8 (このIDを非表示/違反報告)
ももも - ぶっ通しでしっかり読ませていただきました！！これはもうぶっ通しで読まなきゃいけないシーンですね！！(*´∀｀*) (2020年9月5日 22時) (レス) id: ce0dea41c8 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - もももさん» そう言っていただけて嬉しいです！ここのお話はどうしてもぶっ通しで読んでいただきたくて、遅くなってしまいました‥（ ; ; ） (2020年9月5日 19時) (レス) id: 1513b391e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おもち | 作成日時：2020年8月24日 21時
