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空座決戦編 6-1 迷う事なく、ただ前を見つめて ページ26

いつの日かを思い出す


風に揺れるのは透けるように美しい金色の髪
その一歩左後ろがわたしのいつもの場所


髪の長さも、見に纏う洋服も
何も知らないのに、
変わってしまったのに、

確かに変わらない信頼が、そこにはあった



「行くで、A。」
『はい!』



2人が今もなお動き続ける戦況に遠く目を向けた瞬間、
その後ろから聞き慣れた音が響いた




ーーーーカラン・コロン

ボロボロの瓦礫の山、崩れ去った街に似合わない渇いたように響く音



「なんや、えらい遅かったやないか。」
喜助ェ。


そう言っていつものように口角を下げ、
気だるそうに顔だけで振り向く平子

つられるようにAも振り向けば
そこにはいつもの甚平姿の浦原が立っていた



「ーー・・少し、手こずりました。」


その彼にいつもの飄々とした顔は無く、
表情は重く苦しい

浦原のただならぬ雰囲気に
平子は遠慮なしに顔を顰めた


『っ、』

Aの視線が追った先
甚平の裾から覗くその手が僅かに震えている


『喜助さん、手が‥っ』

まさか、転界結柱の反動が‥


そう言って瞳を歪めるAに
何も答えぬまま、喜助の瞳がAと向き合う



「Aサン、お願いがあります。」



辺りに重い空気が漂う
浦原の表情は厳しく、そして暗い

ふと、思い浮かぶのは
先日の浦原商店での彼の顔


ーーー・・ボクと一緒に、命を賭ける覚悟はありますか。


半歩振り向いたままだった身体を
ぐっと動かし彼と正面から向き合う



『断る理由がありません、喜助さん。』
覚悟はとうの昔に決まっています。


強い光を抱くAの瞳に、
浦原のそれが僅かに揺れた

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設定タグ:BLEACH , 平子真子 , 市丸ギン   
作品ジャンル:アニメ
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おもち(プロフ) - ううさん» 二週目ありがとうございます( ; ; )!現在最初の方から加筆修正中で読みにくい点もあると思いますがぜひいつでも読んでいってください。わたしもギン乱推しなので、二人の妹になりた過ぎてこうなりました笑これからもよろしくお願いします! (2020年12月20日 0時) (レス) id: 1513b391e8 (このIDを非表示/違反報告)
うう - 全部読んで2周目です。ギン乱推しなのです最高です。ありがとうございます。もっと他の人にも読んで欲しい作品です。 (2020年12月20日 0時) (レス) id: bccb65748a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - もももさん» 文字が多くて分からずらいとこが多かったですよね( ; ; )!読んでくださりありがとうございます! (2020年9月6日 0時) (レス) id: 1513b391e8 (このIDを非表示/違反報告)
ももも - ぶっ通しでしっかり読ませていただきました!!これはもうぶっ通しで読まなきゃいけないシーンですね!!(*´∀`*) (2020年9月5日 22時) (レス) id: ce0dea41c8 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - もももさん» そう言っていただけて嬉しいです!ここのお話はどうしてもぶっ通しで読んでいただきたくて、遅くなってしまいました‥( ; ; ) (2020年9月5日 19時) (レス) id: 1513b391e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2020年8月24日 21時

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