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『失礼します。三番隊・市丸Aです。』
「はーい!」


自隊の隊長・ローズに一枚の書類を託けられ、やって来たのは五番隊・執務室。

引き戸の前で小さく息を吸う。

少し、緊張・・していた。
ちゃんと顔を見るのは1ヶ月以上ぶりだった。
山田家の一件で未だ少し頭は困惑しているけれど、やっぱり彼に会えるのは嬉しかった。
それだけで、心は軽くなる気がする。


「Aさん、お疲れ様です!」
『雛森ちゃん!お疲れ様。』


朗らかに笑う雛森へと挨拶を返し、視線を向けた先。
一文字に切り揃えられた金色が彼の動きに合わせて揺れる。

真っ黒な死覇装に真っ白な隊主羽織。
彼の短くなった髪がこの執務室でよく目立つ気がするのは、百年越しの彼の死覇装姿を未だ見慣れていないせいなんだろう。

平子隊長もお疲れ様です。と微笑めば、相変わらずの気だるげな視線がこちらを向いた。


「おー。・・お?どないした?」
『え?』


途端に僅かに目を見張った平子にAが首を傾げる。


「お前、どっか悪いんか?」
『!』


その言葉に次はAが目を見張る番だった。
平子の言葉に雛森が慌ててAの顔を覗き込む。


「え!?Aさん体調崩されてるんですか?」
『え、あ・・ううん!そんな事ないよ!すごい元気!』
「良かったぁ!そうだ、あたしお茶ご用意しますね!ゆっくりしていってください♪」
『ありがとう、雛森ちゃん。』


にっこりと朗らかな笑顔を浮かべた雛森につられてAの頬も緩んだ。
パタパタと軽い音を立てて給湯室へと消えて行く背中を見つめていると、聞き慣れた癖のある言葉が飛んできた。


「ほんまに大丈夫なんか?」
『はい。大丈夫です。』
「・・はァ。俺には言われへんのかいな。」
『え?』


まァ、ええわ。そう言って口角を下げた平子が物を寄越せと手を差し出す。
その姿にAは慌てて平子の元へ向かうと書類を差し出した。

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設定タグ:BLEACH , 平子真子 , 市丸ギン   
作品ジャンル:アニメ
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でんでん。(プロフ) - 毎日楽しみで大好きです!ご無理なさらず続きを楽しみにお待ちしております!(^^) (9月8日 2時) (レス) @page46 id: f6127465a5 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - いいところで……!!! (5月17日 1時) (レス) @page46 id: 40e8d62194 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続きが気になります•••! (2023年4月26日 20時) (レス) @page46 id: c3f7ca38c1 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 大好きです続き読みたいです (2023年4月22日 22時) (レス) @page46 id: e23563eff4 (このIDを非表示/違反報告)
マチリ - 最新話まで読ませていただきました。素敵な作品に出会えてとても感動しております。ご無理なさらずに続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年2月25日 0時) (レス) id: 7c2370384d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2021年5月9日 2時

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