検索窓
今日:23 hit、昨日:8 hit、合計:54,905 hit

掛け違えてしまった糸 1 ページ39

「平子隊長!」
「うげッ・・」


五番隊・執務室

腰に手を当てて顔を顰める副隊長・雛森桃の視線の先には苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた平子の姿があった。




あなたと生きる世界・百年一年目を貴方と 26話
ー 掛け違えてしまった糸 ー





つい数刻程前に現世より矢銅丸リサがここ五番隊執務室を訪れていた。彼女は現在、現世の書籍やCDなどを瀞霊廷で販売・配達する事業を営んでおり、平子はリサから現世のファッション雑誌を購入していたりする。
そして今日も例に漏れず、リサから数冊の本が届いたわけではあるが、ここ最近は色々な事件から護廷十三隊全体の業務がかなり滞っているため執務を疎かにしないよう、ここで読んではいけないと雛森に言いつけられていた。
ところが、である。


「先程約束しましたよね?今日のお仕事を終えてから読むって。」
「いやァ・・なんや、まだ読んでへんて。ちぃ〜っとばかし表紙の確認しとかななって思うただけやん。」


たまにあるやろォ?間違うて違う人のモンが届いたりやなァ、表紙の印刷ミスとかもあるしやな。そういうの、ちゃ〜んと確認したらなあかんやん。せやから、チラッと、チラッと確認しただけやで?見てへんよ!全くこれっぽっちも見てへん。
と、ヘラヘラと口八丁にモノを言う平子に雛森の表情が無へと変わる。

途端に嫌な汗が背中を伝って、平子の曲がった背筋が珍しく伸びた。


「約束、しましたよね?」
「あ・・ハイ・・。」


その言葉に、机の下でこっそりと開いていたファッション誌をそろそろと畳んで引き出しへ戻す。
いつもは穏やかで可愛らしい副官だというのに、こういう時ばかりは全くもって敵わない平子だった。


「はぁ〜あ。ほんまに厳しいのォ。」


ブランクあんねんから優しくしたってェや。自分真面目過ぎやで。とピンと立てた小指を耳に突っ込む平子が気だるげに姿勢を崩す。

雛森は彼の言葉に、むっ、と口元を引き結ぶとツカツカと平子の自席へ向かった。


「大変だとは思いますが、約束は約束です。あんまりお仕事サボられるならAさんに言いつけますよ!」
「は、はァ!?なんでアイツが出てくんねん!?関係あらへんやろ!!」
「平子隊長がAさんに弱いのは把握済みです!いざとなったらAさんに頼る様、乱菊さんに教えてもらったんですから!」
「なんやねんその連絡網・・初耳やで・・。」

2→←7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (146 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
522人がお気に入り
設定タグ:BLEACH , 平子真子 , 市丸ギン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

でんでん。(プロフ) - 毎日楽しみで大好きです!ご無理なさらず続きを楽しみにお待ちしております!(^^) (9月8日 2時) (レス) @page46 id: f6127465a5 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - いいところで……!!! (5月17日 1時) (レス) @page46 id: 40e8d62194 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続きが気になります•••! (2023年4月26日 20時) (レス) @page46 id: c3f7ca38c1 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 大好きです続き読みたいです (2023年4月22日 22時) (レス) @page46 id: e23563eff4 (このIDを非表示/違反報告)
マチリ - 最新話まで読ませていただきました。素敵な作品に出会えてとても感動しております。ご無理なさらずに続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年2月25日 0時) (レス) id: 7c2370384d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おもち | 作成日時:2021年5月9日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。