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「・・前にも何度か、A副隊長には縁談の話が来ていました。」
三番隊舎・執務室。
二人が貴賓室へと消えて、ローズとイヅルは入れたばかりのお茶を挟んで向かい合わせに腰掛けていた。
浮かない表情で話すイヅルにローズも眉根を寄せる。
「けれど、市丸隊長が全てお断りしていたんです。」
あの人は、A副隊長の唯一の親族でしたから。と続けたイヅルは目を伏せた。
本来であれば、隊長権限といえども貴族の細々とした話には介入出来ない。
隊長とはあくまで護廷十三隊の一番上というだけであり、相応の身分は約束されてはいるが貴族との関係はまた別の話だ。上級貴族ともなれば尚のこと、そもそもの生きる次元が異なっている。
それをズケズケと割って入り、退け続けられたのはギンの特異な性格と不気味な佇まいあっての事ではあったのだが、一番は彼が義理とはいえ戸籍上唯一の親族であったからだった。
「・・まぁ、ボクも貴族の端くれではあるからさ。彼方が何を思ってのことか、わからない訳じゃないけど。」
いつもよりも随分と困った表情を浮かべたローズが溜息混じりに頬杖をつく。
よくある話だ。
かつては力を持っていた貴族達も時代と共に力も財も薄れ、権力争いに敗れ、一族諸共歴史から消されてしまうのは何も珍しい話ではない。
どんなに地位を築こうとも、それを守り続けなければ存続していられないのだ。上級貴族であればある程に。
そこに本来なら流魂街の血を混ぜるなどあってはならない事だろう。
ところが、である。
Aはあの真央霊術院に貴族に混ざって入学し、あろうことが三年で卒業した天才死神。
そして現在は護廷十三隊の三番隊・副隊長を務めているというのだから、白羽の矢が立たない筈はないのだ。
彼等の思想など腐りきっているのだろうけれど。
Aを必要としている訳ではない。
彼女の才が欲しいのだ。一族の繁栄のために。
「隊長のお力でなんとか出来ない・・ですよね・・。」
「出来たらとっくにしてるよ・・。イヅルだって貴族のこと、いろいろ知ってるでしょ。」
「すみません、わかってて言いました。」
「じゃあ言わないでよ・・落ち込むじゃない・・。」
はぁ、と困り眉毛の二人が何度目かわからない溜息をついた時、再び執務室の引き戸が開いた。
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でんでん。(プロフ) - 毎日楽しみで大好きです！ご無理なさらず続きを楽しみにお待ちしております！(^^) (9月8日 2時) (
レス) @page46 id: f6127465a5 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - いいところで……！！！ (5月17日 1時) (レス) @page46 id: 40e8d62194 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続きが気になります•••！ (2023年4月26日 20時) (レス) @page46 id: c3f7ca38c1 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 大好きです続き読みたいです (2023年4月22日 22時) (レス) @page46 id: e23563eff4 (このIDを非表示/違反報告)
マチリ - 最新話まで読ませていただきました。素敵な作品に出会えてとても感動しております。ご無理なさらずに続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年2月25日 0時) (レス) id: 7c2370384d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おもち | 作成日時：2021年5月9日 2時
