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しっとりとした空気と薄い黒が辺りを包む春の夜。
穿界門を通り抜け、二人は静かな瀞霊廷内を三番隊舎に向けて歩いていた。


『平子隊長、今日もありがとうございました!』


みんな元気そうで良かったですね!と続けたAが微笑み、斜め前を歩く平子を見上げる。


「せやな。」
『ふふ、早速皆さんの連絡先教えてもらっちゃいました。』

これがあれば、尸魂界からでもみんなと連絡が取れるんですよね。

『ほんと、伝令神機みたい。』
「せやな。」


本当に嬉しかったのだろう。
Aはもらったばかりの携帯電話を握りしめ、随分とご機嫌な様子だった。

早速ケータイを開き、ポチポチとボタンを弄ると淡く光る画面を平子へと向ける。


『見てください、これ!』

さっき平子隊長が撮ってくれた集合写真、待受画面に設定してもらったんです!

『いつでも見れるなんて嬉しいなぁ。』
「せやな。」


幸せそうにケータイを見つめるAとは一転、平子はどこか心はここに在らずといった表情だった。

そんな彼の様子を不審に思ったAが首を傾げる。


『・・平子隊長?』
「なァ、A。」


その言葉と共に、平子は歩いていた足を止めた。
いつもと同じ、少し後ろを歩いていたAへと振り返る。


『はい。』


同じように足を止め、不思議そうに自身を見上げるAに平子は少し息を吸った。


「今度、時間作ってくれへんか。」
『え?』
「話したいこと、あんねん。」


平子の顔はいつになく真剣で、何か大事な話でもある様子だった。

特に思い当たる節もなかったが、断る理由もない。
普段とは違う彼の様子を不思議に思いながらもAは首を縦に振った。


『・・はい、わかりました。』




あなたと生きる世界・百年一年目を貴方と 23話
ー 月になれたキミが、見惚れていた月・終 ー

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設定タグ:BLEACH , 平子真子 , 市丸ギン   
作品ジャンル:アニメ
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でんでん。(プロフ) - 毎日楽しみで大好きです!ご無理なさらず続きを楽しみにお待ちしております!(^^) (9月8日 2時) (レス) @page46 id: f6127465a5 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - いいところで……!!! (5月17日 1時) (レス) @page46 id: 40e8d62194 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続きが気になります•••! (2023年4月26日 20時) (レス) @page46 id: c3f7ca38c1 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 大好きです続き読みたいです (2023年4月22日 22時) (レス) @page46 id: e23563eff4 (このIDを非表示/違反報告)
マチリ - 最新話まで読ませていただきました。素敵な作品に出会えてとても感動しております。ご無理なさらずに続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年2月25日 0時) (レス) id: 7c2370384d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2021年5月9日 2時

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