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Aへの想いを、どうするべきか。
それは瀞霊廷に戻ってからずっと悩み続けていたことだった。

彼女を本当に大切に想う。
けれど自分は仮面の軍勢で、内には虚がいるとんでもない混ざりモノで。
そんな自分が、Aを幸せにしてやれるのか。

心の中で押し合いへし合いする気持ちに、いつまでも答えが見出せないままでいた。

きっと羅武は、そんな自分を見抜いていたのだろう。
羅武だけじゃない。
ここにいる連中は、口には出さずともきっとわかっているのだろうと思った。

そんな確かに感じる温かさに、背中を押してもらえた気がする。


「・・おおきにな、羅武。」
「おう。」


グッと脚に力を込めた平子がソファから立ち上がった。
その背を羅武はニヤリと笑いながら見上げた。


「A!そろそろ帰んでー!」
『え、もうそんな時間?』


少し離れた場所から自身を呼ぶ平子の声にAが振り向く。
部屋に置かれた時計を見れば、時刻は22時を指していた。

ほんとだ!と、Aが慌てて立ち上がる。


『今日はありがとうございました!また遊びに来ますね♪』
「オォ!次はハゲ置いて来ぃや!」
「アホか。連れて来たってんねんから感謝せェ。」


ぺこり、と頭を下げるAにニッと笑ったひよ里が手を振る。
しっかりと平子へ牽制を入れる彼女にすかさず平子はつっこんだ。


「お前らも一緒帰るか?」
「ボクらもう少しゆっくりして帰るから、二人は先に帰っててよ。」
「さよか。」
「また向こうでな。」
「Aちん、まったねー!!」
『はい、また瀞霊廷で!』


ヒラヒラと手を振る面々にAも笑顔で手を振り返す。


「またゆっくり来ぃや。」
『はい!ありがとうございます!』
「またな、A。」
『うん!たくさんありがと、ひよ里。』


帰ったら電子書籍送るね!とAがケータイを翳せば、今ドキはメールやで。とひよ里が笑った。


「ほななー!」
『わ、ちょ、待ってくださいよ隊長!』


一人先に倉庫を出ようとする平子に慌ててAが駆け出す。

また来ます〜!!と振り向きざまに手を振りながら、仮面の軍勢のアジトを後にした。

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設定タグ:BLEACH , 平子真子 , 市丸ギン   
作品ジャンル:アニメ
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でんでん。(プロフ) - 毎日楽しみで大好きです!ご無理なさらず続きを楽しみにお待ちしております!(^^) (9月8日 2時) (レス) @page46 id: f6127465a5 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - いいところで……!!! (5月17日 1時) (レス) @page46 id: 40e8d62194 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続きが気になります•••! (2023年4月26日 20時) (レス) @page46 id: c3f7ca38c1 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 大好きです続き読みたいです (2023年4月22日 22時) (レス) @page46 id: e23563eff4 (このIDを非表示/違反報告)
マチリ - 最新話まで読ませていただきました。素敵な作品に出会えてとても感動しております。ご無理なさらずに続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年2月25日 0時) (レス) id: 7c2370384d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2021年5月9日 2時

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