12 ページ12
『ありがと、ひよ里!』
「のわッ!!」
Aはソファから腰を上げると自身の前に立っていたひよ里に抱きついた。
あの頃と全く変わらない小さな背中。
気付けば自分ばかりが大きくなってしまった。
『すごく嬉しい!毎日連絡するね。』
「毎日は鬱陶しいわ!たまにでええ!」
『ふふ、なんでよ〜。毎日しようよ〜。』
「〜〜!!勝手にしぃ!ウチは返さへんで!!」
もー素直じゃないなぁ〜、と抱きついたまま笑っているAと、抱きつかれたまま怒っているひよ里が随分とアンバランスだ。
けれど、これが一番彼女たちらしい。
そうだ、と思い出したようにローズが二人へと声をかけた。
「A、ケータイにはカメラがついてるんだよ。」
みんなで記念写真を撮らない?
ゆったりと笑って続けたローズにAの目が光る。
『え!!ケータイは写真が撮れるんですか!!すごい!!』
伝令神機にはカメラ機能は付いていない。
瀞霊廷にはカメラ自体そもそもほとんど出回っておらず、よくわからない理由で姉が瀞霊廷通信編集部から借り出しているくらいだ。
「そこにカメラのマークがあるやろ?」
早速ケータイの電源を入れるAの手元を隣に座っていた平子がひょっこりと覗き込む。
これやこれや、と平子がボタンを押せば瞬く間に画面が切り替わった。
映し出された自分の足元にAが嬉しそうに笑う。
『ほんとだ〜!すごい!』
本当にカメラになってる〜!とメンバーそれぞれを画面に入れてははしゃぐAを仮面の軍勢の面々は随分と微笑ましく見つめていた。
自分たちも初めはあんな感じで感動していた記憶があった。
いずれは技術開発局もやってのけてしまうのだろうけれど。
「A、右下の切り替えるボタン押してみぃ。」
『みぎした・・、』
平子の声にAの指が迷う。
ここかな、とボタンを押せば画面が自分の顔へと切り替わった。
522人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でんでん。(プロフ) - 毎日楽しみで大好きです!ご無理なさらず続きを楽しみにお待ちしております!(^^) (9月8日 2時) (レス) @page46 id: f6127465a5 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - いいところで……!!! (5月17日 1時) (レス) @page46 id: 40e8d62194 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続きが気になります•••! (2023年4月26日 20時) (レス) @page46 id: c3f7ca38c1 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 大好きです続き読みたいです (2023年4月22日 22時) (レス) @page46 id: e23563eff4 (このIDを非表示/違反報告)
マチリ - 最新話まで読ませていただきました。素敵な作品に出会えてとても感動しております。ご無理なさらずに続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年2月25日 0時) (レス) id: 7c2370384d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おもち | 作成日時:2021年5月9日 2時