幼女が求婚されて困ってます！ (ページ13)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:35,281 hit

11.さらに探偵が登場＊ページ13

学秀「母さんはかなり甘党になったんだね。

やっぱりそれは、触手の所為なのかな？」

『えっ！！？』

何故触手のことを知っているんだ！！？

思わず学秀を凝視すれば、息子は口の端を吊り上げて、微笑む。

その笑顔が、夫と重なって見えたのは言うまでもない。

そう、あの腹黒い夫が何かを企んでいる時の様な笑みだ。

学秀「母さん……じっとして。」

息子の両手が私の肩を抑える。

『えっ、何……？』

息子の顔が迫り、唇の端に生暖かい彼の舌が触れた。

学秀「凄く甘いね……」

『……／／／』

ぺろりと生クリームを舐めとられ、私は呆然としていたのだろう。

暫し固まっていた私を、息子は微笑み見守っていた。

いや、ちょっと今の私には……刺激が強過ぎる。

『こ、こんな事……駄目だから／／／』

さっと動いて息子から距離を取るのと同時に、突然その音は聞こえた。

ドサッ！！

『！！？』

何か重たい荷物が落ちる音だった。

気になった私は音のする方に顔を向ける。

『あ、安室……！！？』

安室「誰ですか、貴方は……」

いつになく冷たい瞳と嫌な笑顔を貼り付けた安室は、こっちに歩いて来る。

何でこんな時に安室が現れるんだ！！？

学秀「貴方の方こそ、誰ですか？

普通、自分が名乗ってから相手に聞きますよね。」

息子は安室と私の間に移動する。

安室「ああ、すいません。

僕はAさんの知り合いで、安室透と言います。

で、貴方は？」

まさかここでも学秀は変な事を吐かすつもりなのかと思ったが、どうやらその様で、息子は自信ありげにこう応えた。

学秀「僕はAさんの許婚ですよ。」

安室「えっ？」

目が点の安室は固まっている。

いや、普通そうなるよな……

私だって最初はそうなったんだぞ。