非恋愛対象【御幸一也】 (ページ25)

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23話ページ25

…

｢まず、もう1回謝ります。あの日はすいませんでした…。おむすびのことと、キスのこと。
おむすびのことは簡単に馬鹿にしていい事じゃなかった。先輩の家庭環境も知らないで…。｣

｢っ聞いたのか家の事…。｣

｢少しだけ亮さんに…。｣

｢そうか…。｣

どうやら御幸は聞いたらしい。私が一応お嬢様的なものだと…。

…でも、金持ちだと聞いても媚びない態度がとても嬉しい。多かったのだ昔の知り合いには。私が金持ちだと知ると、態度を急変させて来るヤツらが。

まぁ、御幸は媚びるどころかむしろ普通にからかってくるだろう…。

｢まぁ、先輩がお嬢様とか想像はできないんですけどね｣

ほら…。想像通りで腹が立つ。

まぁ、それが御幸一也なのかもしれない。

そんなことを思っていると、御幸の抱きしめる力が更に強くなり、真剣な口調へと変わった。

｢ちゃんと伝わったみたいだからいいけど、もう1回言うよ。…好きです先輩。絶対に勘違いなんかじゃない、本気であんたが好きだ。｣

｢…っ｣

顔に熱が集中する。こんなに真剣な形で言われるのは初めてだから尚更…。

私の顔が真っ赤になっていると気づいているかいないかは分からないが、御幸はさらに追い打ちをかけるように言葉を発する。

｢まぁ、多少は悪いと思うけどあの日のキスは後悔してない。｣

｢…なっ｣

｢元々どうせ俺が先輩のファーストキス貰うつもりだったし｣

｢っ…！｣

なんでこんなセリフを言う方が恥ずかしがらないで私がもっと恥ずかしい思いをしなきゃいけないんだっ…！！！

そんな状態の私をそっと離す御幸。

案の定私の顔をみて｢真っ赤ですね｣と笑ってきた。

余裕そうな御幸に腹が立つ…。

｢なんでお前そんな余裕なんだよっ！！｣

｢えー、案外これでも余裕ないですよ？｣

全然そんな風には見えないんだが…。

そう思って御幸の顔をジーッと見ていると御幸がニヤッと笑いながら言った。

｢先輩、好き。大好き。ちょーーー好き。｣

｢は！？お前何言って…！｣

｢わぁお、さらに顔が赤くなりましたよ。まるでタコっすね。｣

｢う、うるさい！｣

｢これから毎日先輩への愛を叫びますね｣

｢やめろ！！｣

今日私にとってこの一日は大きな日となった。

元の関係に戻れたこと、そして…

私の中で御幸一也という存在が大きく変わった日となった。