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第19話〜櫻side〜 ページ20

若宮「んで?」



引き戸特有のガララ、と閉まった音が聞こえてから


顔だけを私の方へと向ける



若宮「なんで、櫻さんがそんな顔してんの」



櫻「…いや、、なんというか、」



ショックを受けたというよりは、


自分の首を見えない何かで斬られたような感覚



聞いた瞬間に頭が真っ白になって、


そして今、徐々にその霧が晴れてきたとき



櫻「…どうして、すぐに否定しなかったの」



私は、彼女に怒りを覚えた



射詰競射は、簡単に言えば1射で全てが決まるもの


そのプレッシャーはこの身をもって痛感した


一瞬でも気を緩むと手が震えてきそうだった


意識を晒した瞬間に口から心臓吐きそうだった


弓道特有の静けですら、自分の敵かと思えてしまった



だけど、全国という舞台でさえも


まるで通過点のように淡々と中てていく本郷さんは


練習時とは異なる射で、超絶技巧の精密機械のごとく


相手選手の呼吸を読み取って狂わせていく



そして、若宮さんも本郷さんと同様、


いつも表情を崩すことがなく、冷静な考え方ができる



その落ち着きがあってこそ、彼女の射は安定している



超絶技巧でも、精密機械でもない


人間、若宮真央によるただならぬ努力の賜物だと



若宮「逆に、すぐ答えたら怪しまれると思ったから」



そう、、信じていたのに


若宮さん、あなたまで道化師だったというの?



櫻「…優勝したくなかったの?」


若宮「…優勝したところで何になるの?」


櫻「な、何になるって..」


若宮「優勝したから特別何かあるわけじゃない


また今度の大会に向けて練習、練習の日々が続く


何より、



簡単に優勝しちゃったらつまんないでしょ?」




は?


何を言ってるの、この女は



簡単に?


つまらない?



櫻「…たしかに、そういえばそうだね」



よくもまぁ、そんな涼しい顔して言うわね

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芋ケッピー(プロフ) - わわ!ありがとうございます!! そうですね…私自身もどう変化させようか悩んでます笑 (2019年6月2日 22時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
聖音美紅(プロフ) - 毎回読ませてもらっています。これからの主人公のと成宮鳴がどう関わってどう感情が変化していくのが楽しみですね!そして主人公の弓道部での先輩達との仲も気になってきます。続き楽しみにしてます! (2019年6月2日 20時) (レス) id: 8aec995585 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:芋ケッピー | 作成日時:2019年5月25日 23時

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