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第11話 ページ12

後輩「ぁ、お疲れ様です!」



戸を開けると着替えを終えて喋っていた下級生たち


明らかにバツが悪そうな表情からして話題は察せる




櫻「…お疲れ様


明日、集合時間に遅れないようにね」



若宮「お疲れ様」



部長の櫻は柔らかく、副部長の若宮は無表情で返し


後輩たちからの何とも言えない視線を浴びながら


2人で寒空の下、


会話を交わすことなく校門へと向かう



特に居心地が悪いわけでもない沈黙を破ったのは、


副部長の若宮の「ねぇ、」の問いかけだった




櫻「…な、何?」



赤いマフラーから口元を出し、白い息が鼻にかかる



若宮「はっきり言われたね、私たちは戦力外って」



櫻「まぁ、、事実だしね


実際、ここまで来られたのも本郷さんがいたからで..


むしろ私たちが感謝しないとね」



あはは、と困ったように笑う様子を流し目で見たあと


小さくため息混じりに「そう、」と返した




若宮「…なんで、本郷Aに声をかけたの?」



櫻「え?」



櫻が知る限り、若宮真央という人間は


人間関係のいざこざ以前に他人に興味がなく、


皆よりも一歩離れた場所にいることが多いためか、


どこか本郷と似た孤高の存在のような印象だった



櫻「…うーん、、」



夏の大会以降は部長、副部長として


何かと行動をともにすることも多くなったが、


去年まではお互い「女子弓道部員」だけの関係だった



櫻「……部長と会話しているところを見れば、


本郷さんの印象も、少しは変わるかなぁ、、って


…思ったん、だけど」



語尾になるにつれ段々消えていく声は


鈴のように可憐なもの




若宮「…先輩より技術がある後輩って、厄介だね」



櫻「でも、そこをなんとかするのが、


私たちの役目、だと思うから」



若宮「…(私たちの、か)」



若宮は視線を下に向け、櫻も靴先を見つめた

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芋ケッピー(プロフ) - わわ!ありがとうございます!! そうですね…私自身もどう変化させようか悩んでます笑 (2019年6月2日 22時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
聖音美紅(プロフ) - 毎回読ませてもらっています。これからの主人公のと成宮鳴がどう関わってどう感情が変化していくのが楽しみですね!そして主人公の弓道部での先輩達との仲も気になってきます。続き楽しみにしてます! (2019年6月2日 20時) (レス) id: 8aec995585 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:芋ケッピー | 作成日時:2019年5月25日 23時

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