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── 翌日。
長い授業を終え、放課後になった途端に教室を飛び出したAは、分かりやすく機嫌を悪くしていた。
誰よりも一番に生徒会室に来たというのに、シャーリーはともかく、待てど暮らせどルルーシュは現れない。
「 ユーフェミア殿下に会いたい？ 」
「 おっ、お礼。お礼がしたくって 」
スザクとニーナの声を聞き流しながら、腕と足を組んでムスッとしているA。
広いソファで隣に座っていたリヴァルには、「 俺がいるじゃん 」と肩を叩かれたが、「 リヴァルじゃやだ！ 」とストレートに言うとガックリと項垂れた。
ナナリーに会えたことは本当に嬉しいが、兄であるルルーシュが来なくてどうする。
聞いた話では長期間ナナリーのことを一人にしているらしいし、一体 何をしているのやら。
「 ホテルジャックの時、ニーナのこと体を張って庇ってくれたのよ。自分はユーフェミアですって名乗り出て。Aには直接 言えたみたいだけど、ユーフェミア様はお姫様だし…ね 」
あのお転婆お姫様はまたそんな危険なことをしていたのか、とスザクは恥ずかしそうに身をよじるニーナに目をやる。
詳しくは聞いていないが、日本人嫌いの彼女のことだ、きっと見せしめにされそうになったのだろう。
「 俺も会いたい！ 」
「 どーして？ 」
Aの攻撃から復活したリヴァルが手を挙げる。
ミレイの問いかけに自信満々に「 だってお姫様だよ？ 逆玉じゃん！ 」と答えると、またしても攻撃の矛先が向く。
「 そういう不純な動機の人は会えないと思います 」
「 不純って…。ナナリーちゃんって結構きっついな〜 」
他の誰でもないナナリーからの指摘にリヴァルは今度こそノックアウトされてしまい、だらりと両腕が垂れ下がる。
Aを含めた生徒会の面々からは笑いが起きるが、ただ一人、ニーナだけは不純という言葉に身を強ばらせた。
逆玉などに興味はないが、それとは違う不純な動機にも関わらず、お礼がしたいだなんて理由をつけて毛嫌いしている日本人のスザクを頼ろうとしている。
こんなことを知られたら、きっと軽蔑されるだろう。
「 でも、私も会ってみたいな。ユーフェミア殿下に 」
「 えっ 」
「 あっ 」
ルルーシュ、そしてナナリーがブリタニア皇族だという事実を知っているスザクとミレイは小さく声を漏らした。
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
