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融解 ページ21

目を覚ますとまず私の家ではないことに気づいた。
二日酔いでだるい体を起こすと見たことがある部屋にいる。

布団からは嗅いだことのある匂いがして、碧棺さんというワードが頭に浮かんだが

碧棺さんの事務所にいる理由がわからなかったので確信を持つことは出来なかった。

また、不思議なことに着てる服は昨日のまんまなのに化粧は落ちている。

昨日のことを思い出そうにも頭が痛くて思い出せない。


友達に何があったか連絡しようと携帯を開くと
私の通知は「碧棺左馬刻とどういう関係?」というもので溢れかえっていた。

とりあえず、仲のいい友人に電話をすると昨日の私の飲み会での
アホすぎる失態を教えてくれてとても死にたくなった。

そして電話を切ると

「やっと起きたか、酔っぱらい」

とイラついた顔で碧棺さんが部屋に入ってきた。


碧棺さんの事、怖くて会いたくないって思ってたのに
こんな形で会って、恥ずかしくって申し訳なくて顔が合わせられない。

「昨日はずいぶんと楽しんでたみたいだなぁ」
意地悪な声でそう言う。

「…ほんとになんとお詫びしていいのか…」

碧棺さんは何も言わずに私に水のペットボトルを渡してくれた。

「ありがとうございます…」
彼は私の近くで膝をたてて座った。
碧棺さんは怒っていて、恐る恐る顔を見る。

「てめぇには危機感がねーのか」
私に睨むようにそう言った。

「あ、ありますよ」

「あぁ!?
クソ野郎に襲われた癖に悠々と男のいる飲み会行ってんじゃねーよ!」

「それは関係なくないですか」

私が口答えをすると彼は、片手で私の両頬をむにゅっと押した。

「あ?男に襲われたかったのか?」

「そんなわけないじゃないですか!」

すると彼は私のほっぺにある手の力を強くした。

「はっ、
これぐらいブスの方が誰も寄ってこなくていいんじゃねーか」

「…」

ムキになって彼を睨む。

「昨日、散々迷惑かけといて
なんだその顔は?」

「…ごめんなさい」

私が謝ったのを聞くとほっぺの手を離した。

確かに120%私が悪いのに口答えしかしてない…


「本当にすいませんでした…。

何かお詫びを…」

そう言うと碧棺さんは少し考えて、

「今日1日付き合え」
と言った。

「も、もちろんです!
北極でもどこでも着いていきます!」

大袈裟に言うと「アホか」と言われ、今日初めて彼は笑った。

というか、ニヤリとかじゃなく普通に微笑んだ顔を見るのは初めてで、
一気に嬉しくなって、結局私まで笑ってしまった。

嘘に決まってんだろ→←地獄の延長



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ベベンべェェ - 帝銃だったらマジでエアガン打って幻太郎になんかやられてそう (2022年10月30日 10時) (レス) @page28 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 2chスレからこの話思いつきました感やば (2022年6月17日 22時) (レス) @page2 id: cc1286ce8c (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - 読み終わりました!続編へGO♪ (2022年1月14日 5時) (レス) @page50 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - あと、作者様安心してください。高評価押しましたぁ!!応援してますんで! (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - えっ?ここアンチ居んの???こんなに良い話なのに?うーん、取り敢えず一回○しとこうか...?(黒い笑顔♪) (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりか | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年12月15日 17時

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