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こんな力を借りたかったわけじゃない ページ19

切りつけられた腕は後日、病院へ行き見てもらうと異常もなく、
3週間ほどで跡も消えると診断された。


碧棺さんからは
「あの男、捕まった」と初めて連絡が来た。

「ありがとうございます」と返信したが、
既読だけついて何も返って来なかった。



あの日、

私にブランケットをかけてくれた優しい碧棺さんがいて、
切りつけた男よりも怖い碧棺さんがいて、

どっちが本当の彼なんだろうか。

碧棺さんのこと知りたいと思っていたのに、今は知るのが怖い。

次の土曜日なんて来なければいいのに。





腕の傷をなぞると少し痛んだ。





「おねがーい!Aちゃん来てよ!」


花金と呼ばれる金曜日、大学の講義終わりに飲み会に誘われた。

今までは週7でバイトを入れていたのでロクに参加してこなかったが、
その日はたまたまバイトが事前に休みになっていて、
碧棺さんの事を忘れたかった私はお酒の力を借りる為、参加することにした。


私はお酒自体そんなに強くない。


だけどその飲み会は私の仲のいい人が多くて、お酒もご飯も美味しくて
とても居心地がよく、慣れないお酒を馬鹿みたいに飲んでしまい、

二次会が始まる頃には私の記憶は既になかった。

だからこれから話すことは
私の友達と、碧棺さんと、周りのヤクザさんから聞いたものだ。



二次会が始まって早くも悪酔いしていた私に
周りは帰りを勧め、私は歩いて帰ろうとしたがフラフラ過ぎる私を見て
友達が誰かを迎えに来させようとしたらしい。


私は
「電話帳の1番上!可愛い弟だからー」
と友達に電話をかけさせたらしい。


そして、確かに前までは私の携帯の電話帳の1番上は
『有栖川帝統』で私の弟だったが、

この前『碧棺左馬刻』になったことを酔っぱらいの私は気づいていなかった。



友達が
「あ、夜分遅くにごめんね。Aちゃんが酔っ払っていて1人で帰れないので、
迎えに来て貰えるかな?」
と私の弟だと思って電話した。

しかし、もちろん繋がった先は私の弟ではなく碧棺さんだった。

『あぁ?誰だテメェ』
と友達に言ったらしく、その声にびびった友達は

「ねぇ、Aちゃんの弟怖すぎなんだけど…」と私に携帯を返した。

「だーいーすー、迎えに来てよー」

『…』

黙った碧棺さんは私に飲み会の場所を聞いた。

私が「ここどこだっけー」と周りに聞いていたので

友達が代わりに電話で場所を説明してくれて、電話は切れたらしい。





そして機嫌悪そうな横浜の王様は渋谷にやってきた。

地獄の延長→←優しい男



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ベベンべェェ - 帝銃だったらマジでエアガン打って幻太郎になんかやられてそう (2022年10月30日 10時) (レス) @page28 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 2chスレからこの話思いつきました感やば (2022年6月17日 22時) (レス) @page2 id: cc1286ce8c (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - 読み終わりました!続編へGO♪ (2022年1月14日 5時) (レス) @page50 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - あと、作者様安心してください。高評価押しましたぁ!!応援してますんで! (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - えっ?ここアンチ居んの???こんなに良い話なのに?うーん、取り敢えず一回○しとこうか...?(黒い笑顔♪) (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりか | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年12月15日 17時

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