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あぁ ほんとだったら今日はオフ
でも 仕方ない
振り付けが一向に進まない
明後日までには完成させないと……
なんでだろう家だと
やっぱアイディアも浮かばない
スタジオに来ると 不思議と進むんだ
目的のスタジオへ向かう途中
廊下を曲がったところで
なにやら 声が聞こえてきた
聞くつもりだった訳じゃない
でも それは聞き逃せない言葉だった
「……じゃないのか？
そんなことでお前はいいのか？ 相葉！」
え？ 相葉？
今 そう言ったよな？
んでもって あの声は……“Ｘ”？
「──いつになったら完璧に出来るんだよ？
お前が 完璧に出来ないから
グループ全体のクオリティを下げてんだよ
───“はい”ってさぁ 返事はいいけど
行動がともなわないと なぁ
────だから………
────そんなじゃ
ファンの子達もガッカリだろうな
今に見放されるよ
他のメンバーはどう思うかな？ 」
「おいっ！！」
あ やっちゃった……
あまりにもな言葉の羅列
怒りが頂点に来るより先に
おいらの手は無意識に
“Ｘ”の胸ぐらを掴んでた
やっと怒りがおいらに追い付いて
おいらはこれでもかってくらい
睨み付けていたと思う
“Ｘ”は携帯を落としそうになり
おたおたするのと同時に
おいらが突然現れた事に目を丸くする
「今 聞こえちゃったんだけど
俺達の相葉ちゃんに何してんだよっ！！」
「これは そのぉ……
あの 違うんだ 理由があって………」
おいらの目を見られないんだろう
視線をそらせながら
苦しいから 離してと
おいらの手をタップする“Ｘ”
少し緩めてやる でも
掴んだまま 勢いは止められなかった
「何してるか わかってる？
それって 完全な嫌がらせだよね？
パワハラってやつ？」
「わかってる……わかってるんだ……」
「だったら 何でっ！！」
“Ｘ”はがっくりと項垂れて
でも何処かホッとしているようにも見えた
「何で こんなことしたのか
話してもらうかんな！」
おいらと“Ｘ”は
おいらが振り付けを考えるために
予約されていたスタジオに向かった
広いスタジオの真ん中
おいらと“Ｘ”は少し距離をおいて
向かい合うように あぐらをかいて座る
普段のレッスンでは
見たことも無い面持ちで座っている“Ｘ”
長い沈黙
やっと絞り出すように
“Ｘ”は話し始めた
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作者名：43 | 作成日時：2018年11月17日 10時
