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天ノ弱15~まだ素直に言葉に出来ない僕は__天性の弱虫さ~ ページ16

何度も同じ日を巡る。

何度も同じ思考回路を巡る。

何度も同じ場所に戻る。

それを繰り返す度に、僕は何も考えることができなくなっていた。


「一くん」

「一」


大好きな声が聞こえる。

言葉を偽り続けた僕には、何て答えたら良いのか分からない。

小さい時からそうだった。

自分の思ったことを積極的に話すのは苦手。

だから、僕は強くはなれなかった。

その代わり僕は今、違うモノを持っていた。

それは、"言葉を偽ることができる"というモノ。

そうすることによって、僕は口を開いていく。

その反面、僕の顔にピエロのお面がピッタリと嵌っていく。

もしもこれが最後まで嵌ってしまったとしたら?

その時から僕は、本物のピエロになるだろう。


誰にも信じてもらえない、独りぼっちのピエロに。


「ごめんね」


その一言すら言えない僕は…

とても、弱虫だ。

天ノ弱16~この両手から零れそうなほど 君に渡す愛を誰に譲ろう?~→←天ノ弱14~進む君と止まった僕の縮まらない隙を何で埋めよう?~



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作者名:96猫伯爵 | 作成日時:2017年3月18日 12時

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