思いがやっつ ページ9
すぐ側にあったベッドにはいつも読んでる本はないし、置いてある服も見たことがない…。
『もしかして、数時間どころが年単位で飛んじゃった…？？』
どうしよう、そもそも私の部屋じゃなければ誰かの部屋って訳でだとすると部屋主が帰って来たら大変な事になる。まずい、非常にまずい。
『と、とりあえず外に…。』
外に出たところであまり意味は無い所か全然知らない人に出会ってしまった場合それはそれで大事件だ。本当に年単位で飛んでいるならば未来に来ていたとしても過去の人間がいることが知れれば混乱を巻き起こすし、過去に飛んでいたらもっと大変な事になる、元の世界に戻る前に忘却呪文のオンパレードだ。人に会わずにかつ帰る方法を探さなければならない。これがどれだけ大変な事か、想像に容易い。
「おい、お前そんなところで何してる、次は魔法薬学の授業だ、急げ。」
ふと聞き慣れた声がして振り返るとなんとなく見覚えのある顔と目が合った。無造作に伸ばされた黒髪に青白い血色の悪い顔色、細くローブのお陰でもはや蝙蝠のような風貌。私のよく知る魔法薬学の教授の幼いバージョンのような………
『え！！！？？』
急な私の大声に目の前の人は肩をビクッとさせ身構えた。
「いきなり大声を出すな、そんなことより次の授業まであと数分もない、急ぐぞ。」
そう言った彼は私の手を取り走り出した。私の知っている彼からは想像の出来ない行動に驚きを隠せない。この人はこんなに他人に興味を持つ人だっただろうかと本気で悩んだが、よくよく考えてみれば此処が過去とは限らないし、あまり考えたくもないが未来でこの子はあの人と知らない女性との子供かも知れない、そう考えればなんとなく他人と会話していても不思議ではなかった。
まぁ、地下にある教室に着いてある人達と出会って名前を聞くとこの予想は崩れ去ったのだが。
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minyon(プロフ) - 読ませていただきました。もっと評価されるべき作品だと思いました！凄く素敵な作品に出会えて幸せです！ (2020年8月30日 10時) (
レス) id: 542a84dab0 (このIDを非表示/違反報告)
黎亞(プロフ) - エースさん» 読んでいただきありがとうございます、楽しんでいただけたなら嬉しいです。 (2018年9月9日 21時) (レス) id: 6b044dd44f (このIDを非表示/違反報告)
エース - すごい！！こんな面白い素敵なお話を久しぶりに見ました！ (2018年9月9日 13時) (レス) id: 51893507e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎亞 | 作成日時：2018年8月23日 0時
