私が拾った【文豪ストレイドッグス】【完結】 (ページ7)

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この人の職業ページ7

ふと、治は思った。この人は一体何の職業についているのだろう、と。未だに無月が仕事に出かけている所は見たことないし、家を出る時は必ず治も一緒である。

考えても一向に何も出てこない。抑抑、この変人がつける職業なんて有るのか。いや、ないだろう(反語)

考えても分からないので素直に治は無月に聞いてみることにした。

「ねえ無月さん」
「ん？どうかしたの？」
「無月さんって職業何？」

治がそう無月に聞くと無月は笑って「何だと思う？」と聞き返してきた。

「質問を質問で返す大人には碌な大人はいないんだよ」
「へえ。じゃあ私は碌な大人じゃあ無いんだね」

無月は笑った。その笑顔を見て治は無性に苛ついた。

「放浪者でしょ」
「其れは職業なのかい？其れに私、あてもなく彷徨う事なんて無いよ」
「じゃあホームレス」
「君が住んでるこの家は一体誰の家だい？」
「……………」

そうだ。目の前に居る無月はこの家の家主で、家賃を払っている。と云うことは、何かしら収入源が有ると云うことだ。

「分かった。盗人でしょ」
「…君、私の事何だと思ってるの」

「酷い」とシクシク泣く真似をする無月をゲシゲシと足蹴する治。

「酷い！！君を拾ってあげた恩人を足蹴にするなんて！」
「無月さんの泣き真似って無性に癇に障るよね」

「この子辛辣！！」と云って再び泣き真似をする無月を見て治は呆れたのだった。