【黒子のバスケ】帰宅部の私がマネージャーになりました６【秀徳】

262個目 不穏な空気 ページ18

ある日の昼休み___

その日もいつもと変わらず緑間くん達とお弁当を食べていた

『でさ、お姉ちゃんとその事で1時間ぐらい語り合ったの』

高｢意外にもしょうもなかった｣

『おいこら』

｢高尾ー｣

高尾くんを呼ぶ声に3人とも振り返った

｢中谷先生が職員室来いってよ｣

高｢おー、悪ぃな！んじゃ俺行ってくるわ｣

『いってらー』

教室を出て行く高尾くんを見送り、残っていた玉子焼きを1口頬張った

緑｢………A｣

『ん？』

ずっと何も話さなかった緑間くんが口を開いた
私はもぐもぐと口を動かしながら首を傾げる

緑｢………いや、何でもないのだよ｣

『また気になる終わり方する』

緑｢大したことじゃない、また今度言う｣

『…ん、分かった』

こういう時の緑間くんって色々考えていて、言いたいことが纏まってない時だ
なら緑間くんが言えるようになるまで待つだけ

こういう時、少しでも緑間くんの事が分かってきたようで私はちょっぴり嬉しかった




.




日常となっている部活の後の自主練習
2人は少しずつ自分達の課題を克服していっていた
緑間くんは右手のハンドリングとシュートの確率向上
高尾くんは外からのシュートの確率とパス精度の向上

今まで集めたデータを見ても少しずつ右肩上がりになっている
恐らく今の時点でも試合で十分に使えるレベルだ

『すごいなぁ…』

ここまで何かにひたむきに頑張れる人は早々いない
人によっては｢たかが部活で｣｢頑張っても負けたら意味無い｣なんて言う人もいるだろう
でも2人はそんな声なんか耳に入らない
ただ純粋に

"勝ちたい"

それだけしか頭にない

『バスケ馬鹿め……』

練習に打ち込む2人を見つめ、ｸｽｸｽ笑いながらポツリと呟いた





高｢もう時間だな、真ちゃん切り上げんぞー｣

緑｢あぁ｣

高尾くんの声に私も片付けの為に動き出す
そこら中に転がっているボールをカゴに戻していく

『あ、そういえばさ、青峰くんアメリカ行くんだって』

高｢おっ、やっぱ行くんだ｣

緑｢火神に先を越されて悔しがっていたからな｣

『緑間くんはプロとか目指さないの？』

緑｢…｣

『…？』

緑間くんのボールを戻す手が止まった
背を向けていて表情は見えない

緑｢目指さないのだよ｣

『そうなの？せっかく上手なのにもったいない…』


ｶﾞｧﾝｯ!!!


｢『っ！？』｣

緑間くんはカゴにボールを力任せに投げ捨てた
私は一瞬で悟った


"言ってはいけないことを言ってしまった"

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