【黒子のバスケ】帰宅部の私がマネージャーになりました６【秀徳】

256個目 夏合宿 終 ページ12

高尾くんも私と同じような事を考えていたみたい
その横顔は微笑んではいたがどこか憂いたような表情だった
私はかける言葉が出てこず、ただ一言……

『…そうだね』

情けない事にそれしか言えなかった

緑｢馬鹿め、当たり前の事を言ってどうする｣

『え』

緑｢"ずっと"なんて言葉はないのだよ。俺達のバスケにも、な｣

高｢ちょ、真ちゃん現実的すぎw｣

緑｢終わりがあるからこそ、それに対して人事を尽くせるのだよ｣

『…！』

やっぱり緑間くんらしい
私は思わずｸｽｸｽ笑った

高｢なら俺達のバスケが出来る最後の日までやれる事全部やりきろうな！｣

緑｢あっ…！｣

高｢あ｣

高尾くんがﾄﾞﾝｯと緑間くんに肩をぶつけた衝撃で2人の線香花火が落ちた

『あ、いぇーーい！！私の勝ちー！』

緑｢…高尾ぉ｣

高｢悪ぃ悪ぃ！わざとじゃないって！｣

緑間くんが高尾くんにジリジリと詰め寄っていると、


prrrrr


高｢あ、俺だ｣

高尾くんが電話に出ている間、私は花火の後片付けをした

高｢悪ぃ2人とも！ちょっと宮地さんに呼び出しくらったわ！｣

『片付けは私達でやっとくからいいよ』

緑｢さっさと行け｣

高｢ほんと悪ぃな！｣

高尾くんが居なくなり私達2人きりになった

『どうする？まだ線香花火余ってるからやる？』

緑｢ここでやりきった方がいいのだよ｣

そうして私達はまた花火を始めた

2人きりになったのは緑間くんに呼びだされたあの夜の日だけ
思わずやってきた2人きりの時間に少しずつ緊張してきた

『………ｯ！？』

ﾁﾗﾘと横目で緑間くんを見つめると、ﾊﾞﾁﾘと目が合った
私はまさか目が合うとは思わずあたふたしてしまい、線香花火を落としてしまった

緑｢何をそんな慌てる必要があるのだよ｣

『だ、だって…目が合うとは思わなかったから…っ』

緑間くんが呆れたように呟く
すると緑間くんの線香花火も静かに落ちた

緑｢……2人きりになれたのにこれを無駄にする意味が分からないのだよ｣

『嬉しいって言えばいいのに』

緑｢うるさいのだよ｣

ひねくれた言い方だがその意味はとても可愛いものだ
緊張が解けた私は緑間くんの隣を詰めピッタリ引っ付いた

緑｢っ！｣

『2人きりなら別にいいでしょ？』

緑｢……フッ、別に高尾がいる時でもよかったが？｣

『うっ、それはちょっと…まだ恥ずかしい…』


こんな穏やかな時間がいつまでも続くと思っていた









でも、まさか…あんな事になるなんてこの時の私は思いもしなかった…

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