【黒子のバスケ】帰宅部の私がマネージャーになりました５【秀徳】

204個目 旅立ち ページ10

最後まで歌い終わっても誰も来なかったので多分聞こえていないんだろう
良かった……

そして3年生が体育館から出てきた
泣いている人、泣いていない人、後輩を見つけ抱き合う人、同級生と別れを惜しむ人…

そんな中、私達の知る先輩達が出てきた
先輩達の目に涙はなく、泣いた跡もなかった
先輩達は私達を見つけるとどこか嬉しそうに来てくれた

宮｢よぉ！久しぶりだな！｣

高｢いっでぇ！なんでいきなりデコピンするんすか！宮地サン！｣

宮｢あ？｣

高｢すんません！うわっ！｣

高尾くんは宮地先輩にぐしゃぐしゃと頭を撫で回されている
緑間くんも木村先輩に頭を押さえつけられながら撫で回されている

木｢相変わらず宮地はツンデレだな〜｣

宮｢あぁ！？ツンデレじゃねぇよ！｣

可愛がってもらえて良かったなぁ…なんて見ていると、

大｢Aのことだから泣いてると思ってたぞ｣

そう言って頭を優しく撫でられる

『大坪先輩！まだあの時のこと引っ張ってますね！！』

大｢ははっ、すまないな｣

木｢大坪〜、声震えてんぞ？｣

大｢そういう木村も宮地も震えてるぞ｣

そこでハッとした
先輩達は泣いてないんじゃなく、我慢してたんだ
それにつられるように涙が溢れる
いや、溢れるどころか地面に落ちていく

宮｢っ、たく…こんな時こそふざけろよな！…っ、轢くぞ…｣

木｢覇気がねぇぞ…宮地、っ｣

宮｢お前らそのまま顔下げてろ…上げたらぶっ殺すからな…っ｣

『っ、怖すぎぃ…っ、』

こんな時でも暴言はいつも通りの宮地先輩にちょっと安心した

木｢暇な時に差し入れ持って練習見に行くからよ…、！｣

大｢高尾、お前は無理をし過ぎる所があるし周りのために自分を抑える節がある、必ず監督なり主将なり緑間に相談しろ。
緑間、お前はもう少し年相応に今を楽しめ。人事を尽くす事も大事だが今いる友人と過ごす時間も大事にな。
A、お前は高尾と一緒で我慢をするな。女子1人で相談しづらいかもしれないが高尾や緑間を頼れ。………こいつらの事、頼んだぞ｣

『〜っ、はぃ…っ、！』

高｢っ、先輩達の泣き顔とかちょーレアじゃないっすか！見せてくださいよ！………っ、木村サンとこの差し入れなら最高じゃないですか！待ってますからね…っ！大坪サン、相変わらずとーちゃんみたいですね！心配しすぎです…っ、｣

必死に声を上げるも高尾くんの声も震えている
そして一言も発していない人にみんなが気付いた

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