【黒子のバスケ】帰宅部の私がマネージャーになりました５【秀徳】

205個目 旅立ち ページ11

宮｢おい、緑間。何黙ってんだ…、いつもみてぇに生意気言いやがれっ、｣

大｢具合でも悪いのか？｣

すると隣から、小さく鼻をすする音が聞こえほんの少し息が乱れている
そうだよね…伴奏を断っちゃうぐらいだもんね…

緑｢…っ、がと…いま…｣

木｢ん？緑間？｣




緑｢ありがと…っ、ござい、ました…ｯ｣




3年生に深く深く頭を下げ、感謝を伝える緑間くんに先輩達は慌てふためく

宮｢おい！高尾、A！こいつどうしたんだよ！｣

『…っ、寂しいんです…』

大｢え？｣

高｢真ちゃんも…、寂しいんですよ…っ、｣

卒業が近づくにつれ、緑間くんは少しずつ寂しそうな表情をたまに浮かべていた
他の人から見れば普段と何も変わらないかもしれないが、私と高尾くんには分かっていた
私と二人きりになればよく抱き締めてくるようになった
その時からスキンシップで寂しさを紛らわせようとしていたのかも

緑｢お前らだって…っ、同じだろう…！｣

高｢そう、だけどさ…っ｣

『うぅ…っ、やだぁ…っ…先輩卒業しちゃやだあぁ…ｯ！』

私は子供のように泣き出した
もう先輩達と会えないと思うと我慢できなかった
最後のワガママを許して欲しい

宮｢んなワガママ言うんじゃねぇよ！てかもう卒業したっつーの！｣

大｢よしよし、｣

木｢……(ﾋﾟﾛﾝ)｣

高｢あっ！木村サン今の音何すか！｣

宮｢いいな！俺も撮るわ！｣

緑｢なっ！撮るのをやめるのだよ！｣

『やめてぇっ！今悲惨な顔してるのにぃ…っ！』

ムービーを撮るわ写真を撮るわでその場は一気にカオスとなった

大｢おーい、お前ら｣

大坪先輩の呼び掛けにみんながそちらを見ると、大坪先輩が携帯を構えている
みんな画面の中に収まろうと一気に集まる
私は1歩出遅れながら写真に写ろうとするが全く見えない
言っておくが男子バスケ部だぞ
身長差考えろこのやろう！

高｢ほらAちゃんっ！｣

高尾くんに引っ張られ1番前に出てようやく画面に自分が映る

大｢いくぞー、はいチーズ！｣

1枚目の写真はそれはそれは酷いものだった
みんな目は腫れてるし、ピースしたり、キレてる人がいたり、笑っていたり
それから何枚も撮ったり、それぞれ2ショットで撮ったりした

終わる頃には涙は止まってるかなとは思っていたが、そんな事はなくいつまで経っても涙は引いてくれなかった

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