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とりあえずお姉ちゃんを部屋に連れて行くことにした。
「ごめんね…っ、急に泣いたりして……」
『ううん、それは全然いいんだけど…うーん…』
「…?」
私が何か考えるような仕草にお姉ちゃんは首を傾げた。
『とりあえずさ、お姉ちゃんはどうしたいの?』
「…え?」
『もうバスケ部の人達と関わりたくないのか、まだみんなとバスケをしたいのかってこと』
正直答えは分かりきってるんだけど、
「私、は……」
「みんなともっとバスケがしたい…っ」
『だよね』
ほら、答えは出てる。
『バスケ部の人が具体的にどう変わったのか分からないからなんとも言えないけど、ずっと勝っちゃうからそういう事になったんでしょ?なら…』
『お姉ちゃんが負かしてやればいいじゃん?いや、マネージャーだからこの言い方はおかしいか』
「!」
驚いたように私を見つめるお姉ちゃん。
『いや、言い方が悪いな。"お姉ちゃん達のチームが"負かしてやればいい、うん、これだ!』
「…ぷっ、あははっ!」
『え』
どこに笑うところあった?私は結構真面目に話してたよ?
そんなことを考えている間もお姉ちゃんは笑っていた。
「っ、はぁ……そうだね、その通りだよA。負けたことがないって言うなら私達のバスケで勝てばいい、私達がみんなの目を覚ましてやればいい!ありがとう!」
するとお姉ちゃんは携帯を持って部屋を飛び出して行った。
私は1人、訳も分からずポツンと座っていたが、もう大丈夫だなと確信した。
そしてふとある事が頭をよぎった。
『進路どうしよっかな』
HRでもらった進路希望調査の存在を思い出した。
勉強やスポーツの推薦とかもないから私は純粋に受験をしなければならない。
どうしようか、そう悩みながら自分の部屋へと向かった。
▼
1週間後_
「Aは高校どうするの?」
『うーん……』
夏希と机をくっつけ向かい合って勉強をしていた。
進路先を聞かれた私はシャーペンを鼻と上唇の間にはさみボケーッとしていた。
「こら」
『いてっ、……それが全然決まってナッシング!』
「あんたね〜…明日が提出期限でしょ?ちゃんと考えたの?」
『考えたけどさー…』
シャーペンでおでこを小突かれ痛む所をさすった。
ずっと前から進路希望調査はもらっていたが行きたい学校なんてなかったし、やりたい事も特にない。
そんな私にどこを選べと?
「絞るぐらいはしたの?」
『とりあえずはね?』
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時