黒の申し子 ページ36
「まったくAさんってば……人使いが荒いんだから」
ぶつぶつと先程のことをぼやく。
オレは周りに人がいないのを確認し、あの黒い空間、──監視室へ飛んだ。
監視室には青白い光が浮いていた。
その方向に行くと、いくつかのモニターとその前に座り込む女の子。
そう、オレの主である。
「ねえ主」
「……ライト?」
「うん、そう。全部見てたんでしょ?シークを呼べるかい?」
ループはすっと片手を挙げた。
するとオレの隣に音もなく現れるシーク。
出会った当初は彼女の顔はぼやけて見えなかったのだが、今ははっきりと見える。
少し幼めの、ある程度整った顔立ちだ。しかし平凡というべきか、とりあえず、こんな普通の女の子かどうして世界を創るなど言うのだろうと思ってしまう。
「お呼びですかな?」
「ああ、うん。今回のことって、やっぱりシークが?」
「うーん。まあ、ね。でも、“不純物”が紛れ込んだようだ」
「“不純物”?」
「そう。君たちは二人で『水の申し子』だ。そうだろう?」
「うん」
彼女はオレ達のことを、まとめて「申し子」と言う。
何故そう付けたのかは、聞いてはいないけど多分「響きがいいから」とか言うのだろう。
「でも、あれ。てっきりオレは、『白』辺りかと思ったんだけど」
「ちょーっと違うんだなー、これが。だって君は、ループのためにつくったんだよ?ループの双子みたいなもの。髪は白いけど、一応『水』なの。で、舞崎A君が『桃』。今回の不純物は、『黒』。多分原因はそれかなー」
「『黒』……『黒の、申し子』」
「で?用件は?」
「君なら知ってるんだろうけど……。オレとAさんに、過去に行く力を与えてほしいんだ」
「了解。じゃ、行ってらっしゃーい」
「──え?」
視界が暗転した。
速いよ、シーク。
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みずあいす - プーさん大好きさん» ただいまです!これしか言えませんが許してください笑笑 (2017年5月13日 17時) (レス) id: eea04fc780 (このIDを非表示/違反報告)
プーさん大好き - お帰りなさい!!これしか言えませんが許してください。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年5月12日 21時) (レス) id: 31dc8f72b4 (このIDを非表示/違反報告)
翠玉未麗*ボード不調(プロフ) - みずあいすさん» ネタバレ盛大すぎ……!(( (2017年5月12日 10時) (レス) id: a813412baf (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - 翠玉未麗*ボード不調さん» 早いですなぁ。盛大なネタバレを致しますと、また過去に行きますかね (2017年5月11日 22時) (レス) id: eea04fc780 (このIDを非表示/違反報告)
翠玉未麗*ボード不調(プロフ) - おおお、もう三部……楽しみですなあ。原作の前って言うと、帝光以前の話ですかね……? (2017年5月11日 13時) (レス) id: a813412baf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずあいす | 作成日時:2017年1月14日 12時