第23話 ページ24
「…ん…」
ここは…
病院なの？
「あ！やっと起きた…！先生から聞いた。今日は要安静だったんだって？」
先輩だ
「先輩…ごめんなさい。また迷惑かけて」
「いいってば…今は寝ときな」
「…私、夢ノ咲学院に入ってやっと人間として生きられた気がしたんです。昔から厄介事しか連れてこないから「疫病神」って言われて育ちました」
「…そっか」
瀬名先輩は何も言わず相槌を打ってくれる
「でも瀬名先輩がお弁当作ってくれて、そのおかげでTricksterの皆とも仲良くなれて…凛月くんと真緒くんが親代わりにもなってくれて…この生活が当たり前になって幸せを理解出来ました。それから最近やっと衣装のイメージが湧いてきたんです…でも結局迷惑かけてしまいました。ごめんなさい」
衣装を書いていた理由は瀬名先輩から言われたことを忘れたかったのと瀬名先輩に私の衣装を見て欲しかったから
迷惑かけてしまったけど
「俺の方こそ…その……ごめん…」
「…あの怒っていた理由を聞いてもいいですか？」
「それはダメ。絶対に言わない」
どうして頑なに言わないんだろう
「どうしてもダメですか？」
「っ…そ、そういえばくまくんたちも心配してたから会いに行ってやりな」
話をそらされた気がする…
でも凛月くん達も心配してくれたんだ
「はい、後で会いに行きます。私のお父さんとお母さんなので！」
「どっちがどっち？」
「私的には真緒くんがお母さんで凛月くんがお父さんだと思ってるんですけど…」
ガチャン！
「俺がお父さんだろ！？」
真緒くん！？な、何で？！
今授業中なのに…！
「さすがA、俺達の愛娘♡」
凛月くんも居た
そして真緒くんは私の両肩を掴み前後に揺さぶった
「おい！俺がお父さんだろ？！な、何で…身長が低いからか？バスケ部なのに170cm超えてないからか？俺だって気にしてるんだよ。Tricksterで170cmいってないの俺だけだから」
私の肩を揺らしたあとへこんでしまった
そんな真緒くんに追い打ちをかけたのは凛月くん
「そうだよまーくん。それに俺の方が父親っぽいでしょ？Aの体調不良見抜いたし」
「はぁ！？い、いや！俺は生徒会の仕事でほぼ毎日徹夜してるから！」
言い合いになってしまった
夫婦喧嘩…かな？
「アイツら病人の前で喧嘩する？」
「あはは…でもそれでこそ私の両親です」
ありがとう…皆
本当にありがとう
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作者名：みくる | 作成日時：2023年7月13日 1時
