第20話 ページ21
あんずside
私達はこの前の1件について少し話を整理している
「まだAちゃん来てないけど大丈夫かな？」
「…ねぇ思ったんだけど、泉さんって何であんなに怒ってるの？」
「確かに…嫉妬は嫉妬でも何に対してなんだろうな？」
「うーん……キャシーがヒントなのかな…？」
朱桜くんに嫉妬
何で何だろう
お菓子…だったらその場で怒ってるよね？
レッスン前は何ともなくてレッスン中におかしくなった
朱桜くん……朱桜くん……
「…ねぇお菓子の話をしてた時の朱桜くんとAちゃんの距離ってどのくらいだった？」
「え？確か結構近かったよね？」
「うん。普通に肩当たってたし顔もこのくらい近かったかな？」
そう言って明星くんは私の隣に来た
そして頬と頬がくっつきそうな程近づいてきた
「ちょ、こっこんなに近かったの！？」
「あぁ、お菓子を通してアイツらは仲良くしていたんだがな……」
やっぱり
私の思った通り
「…私が考えてる通りなら多分…瀬名先輩は心の整理が出来てないんだと思う。きっと今も…」
「あんずもそう思うか？俺も同意見だ」
「え？どういうこと？」
「うーん…まぁ仮説に過ぎないんだけど瀬名先輩はAちゃんのことが好きで、朱桜くんと話してる時の方が嬉しそうな顔してるように見えたからあんな態度取っちゃったんだと思う」
「えぇ！？泉さんってAちゃんのこと好きだったの？！」
「まだ分かんないかな。ただの予想だから…でもAちゃんのためにも昼休み確認しに行こう！」
「俺さ、今回の件で瀬名先輩にちょっと怒ってるんだよ。…アイツの事情を知って俺と凛月でアイツの親代わりになってやろうって話し合って決めたんだ」
その場のノリじゃなくてちゃんと凛月くんと話し合って決めたことだったんだ…
「ちょっと！俺達Tricksterの子じゃないの！？」
「今は俺と凛月の子でーす。…瀬名先輩に手弾かれた時のアイツの顔……未だに忘れられないんだ。親代わりになるって決めた以上アイツの為に動いてあげたい。アイツがまた楽しんでこれからを生きられるようにしてあげたい」
「サリー……！！」
「それじゃあ昼休み瀬名先輩の教室へ行こう」
多分私の予想は当たってる
絶対に誤解を解きたい
前はAちゃんと瀬名先輩はあんなに仲良さそうだったのに…
だから私が…私たちが仲直りを手伝おう！！
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作者名：みくる | 作成日時：2023年7月13日 1時
