第19話 ページ20
A「先輩！…………瀬名先輩！！」
私は早歩きで歩く先輩の腕を掴んだ
A「レッスン前は何ともなかったのにどうしたんですか！？私何かしちゃいましたか？！」
「うるさいなぁ！！アンタはかさくんと居れればそれでいいんでしょ？！俺なんかよりかさくんと居たいんでしょ！？」
A「いつ……いつそんなこと言いました？」
そんなこと全く思ってない
言ってもない
「アンタのこと見てれば分かるよ。かさくんと居た方が幸せそうな顔してた」
そんなことない
そんな顔してるつもりもない
A「どうしてそう言い切れるんですか！！私は……っそんなこと思ってないっ……！」
ツーっと涙が頬をつたう
体も震えてきた
スカートを掴む力が強くなるのを感じる
「イライラするの！アンタが他の奴と話してたり無防備な顔見せるのが！！その顔見てるだけでホントイライラする！！」
瀬名先輩はその後振り返ることなくこの場を去った
「その顔見てるだけでホントイライラする」
私の顔……イライラするかな？
ウザがられるのかな？
遂には足に力が入らなくて膝から崩れ落ちた
やっと…やっと他の子達みたいな学校生活が送れると思ってたのに
やっぱり私、疫病神だ
A「私って生きてる意味あるのかな？」
親戚の言ってた通り
「アンタなんか生きてる意味はない」
昔は認めたくなかった
絶対私にも生きていい意味があるはずって
心のどこかで思ってた
でも、やっぱりダメだった
疫病神の私がみんなと同じ生活をしようなんてただのわがままで贅沢
叶いっこない事だった
私はただ欲しかったんだ
私が生きてていい意味が
居ていい意味が
否定したかったんだ
私は生きてもいい存在だって
ごめんなさい先輩
私が…疫病神が一緒にいたから
本当にごめんなさい
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作者名：みくる | 作成日時：2023年7月13日 1時
